NHKで放送中の大河ドラマ「豊臣兄弟!」(日曜・後8時)の脚本家・八津弘幸氏がこのほど東京・渋谷の同局で取材会を行い、12日に放送された第27話「本能寺の変」について語った。

 最新話の「本能寺の変」では、明智光秀(要潤)の裏切りに遭った織田信長(小栗旬)が、炎に包まれた本能寺で弟・信勝(中沢元紀)や義弟・浅井長政(中島歩)の幻影を見るシーンなどがSNSで話題になった。

 八津氏は主役の豊臣秀長(仲野太賀)と秀吉(池松壮亮)の対比について「大前提として、この豊臣兄弟を魅力的に描きたい」とし、現代社会でも仲の良い兄弟ばかりではないことに言及。「僕は弟とすごく仲がいいけど、(兄弟姉妹に)あまり連絡していなかったり腹が立っていたりする人がいる。本当なら仲良くしたいはず。戦国時代でもそういうことはたくさんあったと思う」と、異なった兄弟像に影響されながら2人が変化していく様子を描こうとした。

 「僕の性格上、いかに皮肉めいて書いていくか」という“裏テーマ”も。本能寺の変の直前に、秀長と信長が語り合うシーンは前々からイメージがあったといい「信長の苦しみを救えるのは秀長しかいないと思っていた。信長に対して秀長に語らせたかった」と思いを込めた。

 「やりたいことを全部やった」という本能寺の変のシーンでも、信長の積もる思いを具現化させた。よく知られる「是非もなし」というセリフは、光秀ら他者ではなく信長自身に向けて言わせた。その意図について「信長の人生に悔いはなかった、ということを表したかった」と説明した。

 信長役の小栗には絶対の信頼を寄せ「小栗さんがやっていただく信長ならストレートに書けばいいと思った」。小栗自身が信長に抱いていた「自分の過去と戦う」というイメージも尊重した。

八津氏は「小栗さんが『思いっきり面白いことをやろう』と言ってくださった。全てを出し切って書けた」と激励に感謝していた。

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