大相撲 ▽名古屋場所7日目(18日、IGアリーナ)

 西前頭13枚目・尊富士が東同15枚目・阿武剋を押し出し、1敗を守った。24年春場所で110年ぶりの新入幕優勝を果たした27歳が5場所ぶりに再入幕し、優勝争いでトップに並んだ。

西前頭14枚目・獅司は東同13枚目・錦富士に送り出されて初黒星。勝ちっ放しが消え、1敗で綱取りの大関・霧島、関脇・安青錦、平幕の琴栄峰、高安、錦富士、尊富士、獅司の7人が並ぶ混戦となった。

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 “変身”して幕内に戻ってきた尊富士が堂々と1敗を守った。阿武剋に鋭い立ち合いで左をのぞかせる。なおも足を止めずに相手を起こし、押し出した。「立ち合いは良かったけど、その後の流れは分からない」。無我夢中でつかんだ6勝目。全勝の獅司が敗れ、首位に並ぶも「自分の相撲を取るだけ」と関心を示さなかったが、趣味の睡眠の話題になると「25時間寝てる」と口は滑らかだった。

 24年春場所、110年ぶりの新入幕優勝を果たした。だが、その後はけがに苦しみ、昨年の名古屋場所13日目に右上腕二頭筋腱断裂などで途中休場。秋場所を全休し幕内から陥落した。十両では無双すると思われたが万全には遠く、幕内復帰に4場所も要した。

 負傷の影響もあり“尊富士フィーバー”の頃に見せていた、鋭い出足から突き押しで攻める速攻相撲は減った。がむしゃらに前に出るだけでは勝てず、壁を破るため「取組後に(気付いたことを)スマホにメモを1、2行書くようになった」と意識改革。勢いを受け止められても、四つに組んで投げるなど徐々に引き出しを増やした。

 昨年九州場所の尊富士の十両転落と同時に、錦富士が再入幕。1883年から続く青森県勢幕内在位記録をつなげてくれた。その兄弟子・錦富士も今場所、1敗で並走。5日目は焼き肉、6日目はもつ鍋を一緒に食べ、「幕内土俵に立って(錦富士に)恩返しをしないといけない」と語る。

 取組後の楽しみは大ファンのプロ野球・巨人戦の観戦。17日の坂本勇人内野手のサヨナラ3ランは「もちろん見た。なんといっても(自身の出身地)青森の光星学院高出身ですからね」と力をもらった。同部屋の伯乃富士、義ノ富士、熱海富士も好調で「関取衆で一致団結している。伊勢ケ浜部屋の伝統」と胸を張る。

無欲で14場所ぶりの賜杯を目指す。(山田 豊)

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