◆第76回キングジョージ6世&クイーンエリザベスステークス・英G1(日本時間7月25日23時35分発走、アスコット競馬場・芝2390メートル)

 今度は世界を驚かせる。天皇賞・春の最後の直線。

ヴェルテンベルク(牡6歳、栗東・宮本博厩舎、父キタサンブラック)は大外から飛んできた。内では必死の形相で踏ん張るクロワデュノール(牡4歳、栗東・斉藤崇史厩舎、父キタサンブラック)。ゴール板で内外に離れた2頭の馬体がピタリと並んだ。

 結果は約2センチ差で2着。しかし、脚が上がりかけていたクロワより勢いは完全に勝っていた。「勝ったと思ったけどなぁ。ああいうタフな競馬で走る馬だから、向こうの競馬も合うんじゃないかと思っています」と宮本調教師。2度目のG1挑戦、12番人気で見せた激走が世界への扉をこじ開けた。

 伝統の重みを久々に体感する。英国へ行くのは競馬の世界に入ってからは初。しかし、大学3年だった1984年には馬術の日本代表として、オックスフォード大学との親善試合を現地で行った。「今の天皇陛下がご覧になっていたことを覚えています。

やはり、競馬発祥の地ですから、興味はありますよね」と懐かしそうに振り返る。

 意外性は海を渡っても生きている。宮本師は出発前に繊細な気性面から「多分、最初は慣れないだろうな」と初の海外遠征を心配していた。しかし、到着後もカイバ食いは落ちず、適度な張りを保った馬体は輝くような毛づや。4日後には現地で負荷をかける追い切りも消化できた。状態面に不安はない。

 トレーナーにとっては、クリンチャーで挑んだ18年凱旋門賞(17着)以来の欧州の大舞台。「行くからには、いい成績を残して、帰ってきたいですね」。今度は勝って、世紀の大駆けを演じてみせる。

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