◆女子プロゴルフツアー 北海道meijiカップ 最終日(9日、北海道・札幌国際CC島松C=6709ヤード、パー72)

 プロ3年目の22歳、吉沢柚月(三菱電機)がツアー初優勝を飾った。首位で出て5バーディー、2ボギーの69をマークし、通算8アンダーで制した。

優勝賞金1620万円を獲得。竹田麗央、川崎春花らと同じ2003年度生まれ「ダイヤモンド世代」で8人目の優勝者で、新たなヒロインが誕生した。

 「この優勝をまず誰に伝えたいですか?」。優勝インタビューで問われた吉沢は「父です。一番そばで支えてくれたので、反応は分からないけど、すごく内心は喜んでくれると思う」と笑顔で話した。会場で見守った吉沢の父でコーチの直和さん(55)は「グッときました。ルーキーの時にすごい苦しんでいたので。パットが良かったです。難しいコースでよく頑張ったねと伝えたい」と感慨深げに話した。

 プロ1年目の24年。同学年の竹田が初優勝から8勝を挙げて年間女王に輝いた中、吉沢は出場した19試合のうち18試合で予選落ちと苦戦。「技術的にも足りていなかった。

壁がすごかった」と振り返る。

 父は当時の様子を「周囲からの『触れてはいけない』という目を感じ、逆に苦しかったと思う」。カットラインに1打差での予選も数回あり「会場で1回だけ泣いていた。先輩たちから『会場で泣くのはよくない。弱みを見せない方がいい』と言われたこともる。車の中ではギャーギャー泣いていましたね」と明かす。

 基本的には父の運転する車で移動し、二人三脚でツアーを転戦してきた。直和さんは結果が出せずに落ち込む娘に「やり続ければチャンスはある」「予選通過を目指していたらカットラインしか見えない。トップ10やその上を目指せれば、自分のポテンシャルは上がる」と前向きな声をかけ、一番近くで支えてきた。

 千葉・麗沢高1年生だった19年11月の伊藤園レディス。同年夏にAIG全英女子オープンで渋野日向子(サントリー)と2日目に同組でプレーし、初めて予選通過した。父は「大勢のギャラリーの前でプレーするのがうれしかったみたい。

観客その時に『プロになりたい』という気持ちが強くなった」。プロゴルファーへの大きな一歩となった。

 娘の性格は「負けん気が強い。周りに見せないけど、ひしひしと内側にためるタイプ」と言う。地元の千葉県でアカデミーを卒業後、高校3年時から父の指導で腕を磨いてきた。「僕からいろんな選択肢を出すけど、決めるのは自分。けっこう却下されたりもありますね」と笑う。

 父の技術的なアドバイスを全てストレートに取り入れるのではなく、自分の考えを貫き通してゴルフと向き合う芯の強さが、吉沢にはある。(星野 浩司)

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