◆第108回全国高校野球選手権 第11日 ▽3回戦 敦賀気比3―7智弁和歌山=延長11回タイブレーク=(15日・甲子園

 智弁和歌山が、今大会最長となる延長11回タイブレークの熱戦の末、敦賀気比(福井)に競り勝ち、優勝した2021年以来のベスト8に進出した。

 序盤に痛いミスを犯してしまった男が、最後は大ヒーローになった。

 2回表の智弁和歌山の攻撃。2死から7番・川原一将(3年)が打ち上げた打球を、敦賀気比の遊撃・鵜飼新馬(3年)が捕球したと思われたが落球。しかし、川原はそれに気づかずベンチに戻ろうとし、タッチアウトとなった。珍しいプレーに球場からはどよめきが起こった。

 しかし、気持ちを切り替え、勝利のために力を尽くした。0-2と劣勢のまま終盤に入った8回。2死二、三塁から川原が左中間へ起死回生の同点2点二塁打。汚名返上の一打に満員のアルプスが沸いた。

 川原の“リベンジ”は続く。今大会最長11回までもつれたタイブレークで、1死二、三塁から左前へ勝ち越し打。後続も続いて一挙5得点のビッグイニングとなり、川原の一打が決勝打となった。

 メンタルの強さを見せて智弁和歌山を勝利に導いたヒーローは試合後、「ホッとした」と繰り返した。

落球見落としには「自分で決めつけてしまって」と振り返ったが、「落ち込むときはあるけど、切り替えは早いので」とメンタルの強さを見せ、打撃で取り返した。

 中谷監督は殊勲の川原について「想像を超えてきている」と感嘆。「ショートフライを落球したのを見てないボーンヘッドの彼は、必死だったんじゃないですかね」と胸中を推し量っていた。

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