◆JERAセ・リーグ 巨人4x―3DeNA(1日・京セラドーム大阪)

 巨人・戸郷は悔しげに唇をかみながらも、拍手を浴びてマウンドを降りた。2―2の5回。

先頭の度会にスライダーを右翼席へ一時勝ち越しのソロとされた。それでも筒香をフォーク、エンカーナシオンを153キロ直球で見逃し三振に抑えるなど後続を抑えた。左太もも裏の肉離れから56日ぶりとなる1軍登板は、5回92球、5安打3失点(自責2)で勝敗つかず。「点を取ってくれた後に粘れず悔しいけど、チームが勝ってくれてホッとしています」と汗を拭った。

 初回から直球は自己最速タイの154キロを計測した。「久しぶりの1軍で力も入ったし、球速も出ていい登板にはなった」とアクセル全開で5K。立ち上がりに連続四球に味方の失策も絡んで先制されると、2―1の2回は1死二塁で石田裕に中前適時打。「本塁打とか投手にヒットを打たれたり、悔いが残る」と反省も忘れなかった。

 挑戦の日々だった。7月7日の阪神戦(東京D)で走塁時に足を痛め「左太もも裏肉離れ」の診断。初めてのリハビリ生活でも精神面の強さは際立っていた。故障班合流後に即ネットスローを開始。

通常よりも早い段階でブルペン入りするなど、志願してスケジュールを前倒ししてきた。「僕はトレーナーさんの言うことを聞かない問題児だったと思う(笑)。でもできるうちは何でもやりたかった。『自分のせいでいい。(悪くなることは)絶対にないようにするから!』って(前倒しを)お願いすることもあった」。当初の復帰予定は9月中旬だった。

 担当の種田貴績(たかのり)トレーナーは「1軍に戻りたいという責任感が(早期復帰に)つながった。故障した選手は『恐怖心の克服』がうまくいかない。彼は今までの選手の中で一番トライしたかもしれない」と振り返る。

 帰りを待っていた人々へ安心を届けた。「本当にタネ(種田)さんが一番安心していると思うし、関わってくれた方に感謝。リハビリの時間は濃くて成長する時間になった」。

残り23戦。右肩のコンディション不良で山崎が離脱し、この日、井上も登録抹消された。苦しい台所事情の中、心強い柱が再びチームに加わった。(水上 智恵)

編集部おすすめ