マルビナス問題に関する横断幕を掲げたアルゼンチン代表 Photo/Getty Images
スペイン紙がSNSで拡散する主張を検証
スペイン代表はワールドカップ決勝でアルゼンチン代表を延長戦の末に1-0で破り、2010年大会以来2度目の世界王者に輝いた。しかし、試合後にはアルゼンチンの一部でSNSを中心に「決勝は八百長だった」とする陰謀論が拡散。
SNSでは、「スペインが優勝と引き換えにアメリカへ軍事基地の使用を認めた」「アルゼンチンはマルビナス(フォークランド)諸島の横断幕を掲げたことで、FIFAから10年間の出場停止をちらつかされ、決勝で敗戦を強いられた」など、さまざまな説が拡散された。
しかし、報道によれば、スペイン政府は以前からアメリカによる基地利用を否定しており、その方針を変更した事実も確認できないと説明。また、マルビナス諸島の横断幕については英国側が調査を求めたことは事実だが、FIFAが「敗れれば処分を取り消す」といった脅迫を行った証拠は一切ないとしている。
さらに、リオネル・メッシが幼少期のラミン・ヤマルを抱いた有名な写真を「秘密結社の儀式」などと結び付ける投稿や、決勝の審判が買収されたとする主張についても、いずれも事実を切り貼りしたり、根拠のない推測を積み重ねたものだと指摘した。
『SPORT』は、「これらの説はいずれも、試合結果が出た後に無関係な出来事を結び付けているだけで、因果関係を示す証拠は存在しない」と紹介。世界中で大きな議論を呼んだ今大会だが、少なくとも「決勝が仕組まれていた」と断定できる客観的な証拠は確認されていないと伝えている。
FIFAに対する不信感が世界中で高まっているからこそ、どんな陰謀論でも信じられてしまう土壌が生まれているのかもしれない。しかし、今大会は政治介入や商業主義を巡る批判が絶えなかった一方で、それを理由にあらゆる出来事を「八百長」と結びつけるのは冷静な議論とは言えない。本当に問われるべきは、FIFAが招いた数々の問題そのものだ。

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