物議を醸した「バログン事件」 Photo/Getty Images
FIFAに新たな火種
アメリカ代表FWフォラリン・バログンの退場処分を巡る問題が、新たな局面を迎えた。米『The Athletic』によると、スポーツ賭博の不正監視を行う独立機関「グループ・オブ・コペンハーゲン」が、この問題についてFIFAに説明を求めているという。
発端となったのは、ラウンド32のボスニア・ヘルツェゴビナ戦でバログンが退場処分を受けたことだった。通常であれば次戦ベルギー戦は出場停止となるはずだったが、ドナルド・トランプ米大統領が電話で処分撤回を求めると、FIFAは出場停止処分を大会終了後に繰り越す異例の判断を下し、バログンはベルギー戦に出場した。
今回問題視されているのは、その処分変更そのものだけではない。
『The Athletic』によれば、予測市場では「バログンはベルギー戦に出場するか」という賭け市場が開設されていたのである。一方で、今大会で退場処分を受けた他の14選手については同様の市場が存在しておらず、グループ・オブ・コペンハーゲンは、この点についてFIFAへ正式な説明を求めているという。
同機関は欧州評議会の「マコリン条約」の下で活動する独立組織で、今大会104試合、総額2400億ドル超ともされるベッティング市場を監視。その中でアメリカ対ベルギー戦を含む7試合を「イエローノーティス(要注意案件)」として分類した。ただし、現時点で八百長や不正行為があったことを示す証拠は確認されておらず、あくまで通常とは異なる賭けの動きが見られたため調査対象になったという位置づけだ。
一方、この問題を巡ってはノルウェーサッカー協会のリーセ・クラベネス会長もFIFA倫理委員会への正式な申し立てを準備。「国家指導者の要求によってルールが曲げられたなら、フットボール全体を危険にさらす前例になる」と厳しく批判している。
FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長は、「処分は独立した懲戒委員会が規則に基づいて決定した」と政治的介入を否定している。しかし、トランプ大統領の要求後に異例の判断が下された経緯から疑念は消えておらず、大会終了後もその余波は広がり続けている。

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