グアルディオラ監督が涙したマンC“崩壊の瞬間” デ・ブライネ...の画像はこちら >>

昨季まででマンC監督を退任したグアルディオラ氏 photo/Getty Images

クラブ首脳陣も怒りを隠さず

マンチェスター・シティを率いて黄金期を築いたジョゼップ・グアルディオラ監督。その華々しいキャリアの裏側で、近年はチームの低迷や主力選手の退団、クラブ首脳陣との意見の衝突など、苦悩の連続だったことが明らかになった。



その内幕に迫ったのが、Amazon Primeで公開される4部構成のドキュメンタリー『A Beautiful Obsession』だ。2024-25シーズンのシティは一時大きく失速し、13試合で9敗1勝という異例の不振に陥った。英紙『The Guardian』は、番組がグアルディオラを美化するだけの作品ではなく、チームが揺れ動いた時期を赤裸々に描いていると報じている。

なかでも衝撃的なのが、2025年11月のチャンピオンズリーグ、レヴァークーゼン戦を巡るエピソードだ。グアルディオラ監督はこの試合で先発10人を変更。シティは0-2で敗れた。

この采配に対し、クラブ首脳陣も厳しい反応を示した。シティの会長ハルドゥーン・アル・ムバラク氏は「これほど重要な試合でフィールドプレイヤー全員を入れ替えるのは、我々にとって最低の瞬間の一つだ」と怒りをあらわにし、「彼とは話せない。とても腹が立っている」と語っていたという。

さらに、長年キャプテンを務めたカイル・ウォーカーとの関係も番組で描かれる。

2025年1月、低迷するチームからウォーカーが離れることになった際、グアルディオラ監督は選手たちの前で涙を流した。ウォーカーがリーダーとして振る舞わなかったと指摘し、「なぜ彼を壁に押しつけて、もっと忠誠心を求めなかったのか」と選手たちに問いかけたという。


そのきっかけとなったのが、アンフィールドでのリヴァプール戦だった。ウォーカーのミスからルイス・ディアスがPKを獲得し、モハメド・サラーが決めてシティは0-2で敗戦。グアルディオラ監督がその場面に言及すると、ウォーカーは「毎回のミーティングで自分に責任を押しつけられている」と反論した。

そしてグアルディオラ監督は涙を流しながら、チームへの思いを語った。11日前に新契約を結んだのも、苦しい状況から逃げずに戦うためだったと説明。「キャプテンから始めて、ほかの選手たちも問題があるなら私に言ってほしい。みんなへの愛が変わるわけではない」と選手たちに訴えた。

デ・ブライネ退団にも「冷たさ」が必要だった

さらに番組では、シティの象徴ともいえるケビン・デ・ブライネの退団も描かれている。

長年チームの中心を担ったデ・ブライネには新契約が提示されず、グアルディオラ監督は「スーパー・ケビン」が自身のオフィスで泣き崩れたことを明かした。一方で、クラブが新陳代謝を進めるためには、感情を排除した判断も必要だったと振り返っている。

デ・ブライネ自身も退団を前に涙を流し、「何が一番恋しくなるか」と問われると、「子どもたちは行きたくないと言っている」と語った。

こうした場面から浮かび上がるのは、勝利を義務づけられた巨大クラブの厳しい現実だ。
グアルディオラ監督やデ・ブライネのようなスターであっても、チームを「勝つための機械」として動かすシティの論理から逃れることはできない。

グアルディオラ監督自身の私生活にも触れられており、2024年12月には自身の離婚について選手たちに語る場面も登場する。親友でシティのトップチーム運営責任者を務めるマヌエル・エスティアルテ氏は、選手たちにグアルディオラ監督が「不安で、悲しく、いつもと違う」状態だと伝えていたという。

それでも、物語の最後には再び光が差す。シティはカラバオカップとFAカップを制し、グアルディオラ監督の在任10年間で獲得したタイトルはコミュニティ・シールドを含めて20個に到達。チームも最終的にリーグ2位でシーズンを終えた。

激しい低迷、主力の退団、選手との衝突、クラブ首脳陣からの批判――。『A Beautiful Obsession』は、無敵を誇ったマンチェスター・シティと、その中心にいたグアルディオラ監督が「黄金期の終わり」を迎える過程を、これまでにないほど生々しく映し出している。

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