FIFAがUEFAを痛烈批判「小国が欧州エリートに対抗する力...の画像はこちら >>

FIFAのインファンティーノ会長 photo/Getty Images

W杯商業化をめぐり法廷闘争へ

FIFAとUEFAの対立が、法廷を舞台にさらに激しさを増している。

FIFAは3日、UEFAが提出した法的文書への反論をニューヨークの裁判所に提出。

その中でUEFAによる一連の動きを「FIFAとその指導部に対する中傷キャンペーン」と批判した。

今回の争点となっているのは、FIFAのジャンニ・インファンティーノ会長が進めていた「FIFA Football Enterprises(FFE)」を巡る計画だ。これはW杯関連の商業権益の一部を民間投資家に提供し、FIFAや加盟協会に巨額の資金をもたらす構想だったが、UEFAなどから強い反発を受け、現在は撤回されている。

UEFAはこの計画について、インファンティーノ会長らの対応に問題があったとして、米国で関連資料の開示を求める手続きを進めている。さらにスイスで刑事手続きを進める可能性も示しており、FIFAを巡る対立は単なる組織間の意見の違いを超え、法的な争いへと発展している。

これに対してFIFAは、UEFAの申し立てについて「法的文書というより、FIFAとその指導部に対する中傷キャンペーンを支えるプレスリリースに近い」と反論。FFEについても、あくまで「提案」に過ぎず、加盟協会やFIFA評議会の承認が必要だったと主張している。

さらにFIFAは今回、UEFAとの対立の背景にあるとする「経済的な理由」にまで踏み込んだ。

FIFAが裁判所に提出した文書では、UEFAの経済的な動機について「より小さな国々が欧州のエリートと競争できるだけの財政力を持つことを阻止することだった」と主張した。

そのうえでFIFAは、発展途上国のサッカーが経済的に強くなれば世界的な競争が激しくなり、結果としてUEFAの市場支配力が低下すると指摘。UEFAが主催する主要大会にも、より大きな競争が生まれるとの見方を示した。

FIFAが念頭に置いているのは、モロッコなど近年急速に存在感を高めている国々だ。
アフリカ勢を含む欧州以外の国・地域により多くの資金が流れれば、各国の競技力やサッカー産業が成長し、欧州勢との格差が縮まる可能性がある。

実際、インファンティーノ会長の構想には、FIFA加盟協会に新たな資金を供給する狙いがあった。カメルーン協会会長を務めるサミュエル・エトー氏も、かつてこの計画の再始動を求めている。

一方でUEFA側は、FFEを巡る計画そのものだけでなく、インファンティーノ会長の運営姿勢にも問題があると主張している。両者の対立は、W杯の商業権益をどう扱うかという問題から、世界のサッカー界で誰がより大きな影響力を持つのかという権力争いへと広がっている。

W杯を巡る巨額のビジネスと、欧州以外の国々への資金配分。FIFAとUEFAの衝突は、単なる組織間の対立ではなく、世界のサッカーにおける「富と権力」を誰が握るのかという問題にもつながっている。

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