トルコの総合航空宇宙企業バイカルは2026年7月14日、自社が開発中の無人戦闘航空機(UCAV)「バイラクタル・クズルエルマ」から、ロケットサン製の超音速空対地ミサイル「JET-230」を初めて発射したと発表しました。
実射試験は2026年7月11日、メルジフォン第5主力ジェット基地で実施され、120kmを超える距離から海上目標への命中に成功しました。
JET-230は、ロケットサンが開発した超音速空対地ミサイルシリーズの一つで、固定された高価値目標を、敵防空圏外の安全距離(スタンドオフ距離)から攻撃することを目的としたスタンドオフミサイルです。今回の発射試験は、クズルエルマが超音速空対地ミサイルの搭載・発射能力を実証した初めての事例になったとのことです。
クズルエルマは、レーダーに探知されにくい、いわゆるステルス性能を備えた無人機として開発が進められています。最高速度は約900km/hで超音速機ではありませんが、ジェットエンジンを搭載し、高い機動性を備えるほか、空母艦載機としての運用も想定されています。同社は2026年中にトルコ軍への納入を開始する予定としています。
同機は、アメリカ空軍が開発を進めているYFQ-42A「ダーク・マーリン」やYFQ-44A「フューリー」と同様、有人戦闘機と連携して空戦などを行う協働戦闘機(CCA)のコンセプトに近い機体です。
今回、無人戦闘機から超音速空対地ミサイルを発射したことは、トルコの無人戦闘機構想が偵察や軽攻撃にとどまらず、重火器を用いた長距離のスタンドオフ攻撃任務も視野に入れていることを示しています。
2025年12月には、有人戦闘機F-16を標的とし、トルコ国産空対空ミサイル「ギョクドアン」による有視界外射程(BVR)環境下での模擬発射試験で直撃判定を達成した様子も公開されています。なお、予定どおり運用が開始されれば、トルコ空軍はアメリカや中国、ロシアなどに先駆けて無人戦闘機を本格運用する空軍となる可能性があります。

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