沖田修一監督の完全オリジナル新作となる映画『さとこはいつも』の本予告と本ビジュアルが公開された。
これまでも、プッと吹き出さずにいられないユニークでどこかキュートな人間たちを温かな眼差しで描き続けてきた沖田監督。
公開された本予告は、沙都子が“不倫相手の妻にうっかり刺される”という衝撃的なシーンから幕を開ける。その後、3人の“さとこ”たちの物語が少しずつ、しかし確かに動き出していく瞬間が映し出される。15歳の聡子は、自身の書いた文章を国語教師(吉田羊)から「歌舞伎を見ないで書いた子の中でダントツだわ」という思いがけない言葉で褒められ、戸惑いながらも自分の内側から何かが芽吹く感覚を覚える。35歳の沙都子は、村本(オダギリジョー)との6年間にわたる不倫の日々を、まるで『失楽園』さながらの情熱と滑稽さが入り混じる記憶として振り返り、「エモいぜ」と自嘲気味に呟く。そして55歳の里子は、健康のためにトランポリンを跳ぶ穏やかな毎日を送りながらも、3人兄弟の子育てを終えてどこか満たされない思いを抱えている。「気がついたらお互いジジババですね」と夫(筒井道隆)に語りかけられ、「私は違いますけど!」と軽やかに返すセリフからは、まだ終わらない人生へのささやかな抵抗が垣間見える。
やがて映像は、それぞれが次の一歩を踏み出したことで訪れる大きな変化へと加速する。耳鼻科で鼻の孔にネブライザーを突っ込み煙を吹かすという、異性から最も見られたくない状態で鉢合わせたところから始まる聡子の黒歴史みたいな初恋の物語や、忙しない日々の中でいつの間にか心の奥にしまい込んでいた書くことへの夢を思い出し新たな一歩を踏み出す里子、そして6年におよぶ不倫のフィナーレへ向かって歩き始める沙都子の姿が映し出される。「好きなだけ書くといいよ」「好きなだけ書きなさい」「好きなようにやったら」という、動き出した3人の背中を押すエールの言葉も印象的だ。
3人の“さとこ”たちに優しく寄り添うように流れるのは、折坂悠太が本作のために書き下ろし、奇しくも“4人目のさとこ”となった柴田聡子を迎えて歌う主題歌「シミレ(feat.柴田聡子)」。楽曲について折坂は、「エンドロールが終わりじゃなく、句読点になるように。またここから物語を紡ぎ出す誰かに、思いをはせながら歌いました」と思いを明かし、劇中音楽も担当した柴田は、「時間をかけてじっくりと物事を描く映像と言葉に満たされ、おかしみ、かなしみ、よろこび、さまざまな感情を抱き込んだ心の開かれる映画」とその想いを寄せている。
沖田監督は元々ファンであったことから、緊張しつつも強い希望でふたりにオファーをしたという。柴田が手がけた劇中音楽については、「柴田さんが作ってくださる音楽はどれも素晴らしく、3人の“さとこ”にそっと寄り添うように、彼女たちの心情を引き立ててくれています」と絶賛。主題歌のデモ音源を初めて聞いた際には不思議と涙が出たと明かし、「映画の主題歌として素晴らしいのはもちろん、それとは関係なしに、この曲がただ好きで、今でも繰り返し聴いています。早くたくさんの人に聴いてもらえるとうれしいです」とコメントしている。
さらに、本作最後の追加キャストとして、沖田監督作品には欠かせない存在である古舘寛治の出演も明らかに。数々の沖田作品で独特の存在感を放ってきた古舘が、本作ではどのような形で3人の“さとこ”たちの人生に関わるのか。演じる役柄については明かされず、映画を観るまでのお楽しみとなっている。
映画『さとこはいつも』本予告
<作品情報>
『さとこはいつも』
9月18日(金)公開
公式サイト:
https://happinet-phantom.com/satoko/
折坂悠太、柴田聡子、沖田修一監督のコメント全文
■折坂悠太
創作の途中にふと、「これは誰かの物語とつづいてる」と思うことがあります。偶然か必然か、時空を超えて、知らない誰かとゆるやかに重なる。この映画の脚本を読んだとき、その不思議な感覚が自分だけのものじゃなかったんだと、ほっこりとうれしくなりました。
煙の立つ彼方、のびる影が重なりあう土手で、柴田聡子さんと待ち合わせ。エンドロールが終わりじゃなく、句読点になるように。またここから物語を紡ぎ出す誰かに、思いをはせながら歌いました。
■柴田聡子
3人の女性がそれぞれに新しい冒険をしていく素敵な作品に音楽で携われたことがとてもうれしく感謝の気持ちでいっぱいです。折坂悠太さんに誘っていただいて、エンディングテーマを一緒に歌わせていただいた経験も忘れられないものとなりました。
時間をかけてじっくりと物事を描く映像と言葉に満たされ、おかしみ、かなしみ、よろこび、さまざまな感情を抱き込んだ心の開かれる映画だと思います。
公開がとても楽しみです。
■沖田修一監督
そもそもファンであるおふたりに、映画の音楽をお願いするのですから、とても緊張しました。折坂さんの主題歌のデモを、ソファーでおふたりに挟まれる形で聴いたら、なんだか不思議と涙が出まして、映画が報われたような気がしました。
歌い手でもある柴田さんに映画音楽をお願いするなど、そもそもしてもよいものか最初は腰が引けましたが、全部杞憂で、柴田さんが作ってくださる音楽はどれも素晴らしく、3人の「さとこ」にそっと寄り添うように、彼女たちの心情を引き立ててくれています。柴田さんのハミングはもう、もうひとりの「さとこ」のようでした。
ずっと以前から、プロデューサーの筒井さんと、いつか折坂さんに主題歌をお願いしようと話していたのが実現しました。そしてさらにそこに柴田さんが参加するとなったときに、ちょっと冷静でいられませんでした。映画の主題歌として素晴らしいのはもちろん、それとは関係なしに、この曲がただ好きで、今でも繰り返し聴いています。早くたくさんの人に聴いてもらえるとうれしいです。
(C)2026「さとこはいつも」製作委員会

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