【男子バレー日本代表】石川祐希らが9月のアジア大会にいない理由 代表は2つに分かれる

バレーボール男子日本代表の9月は、例年と構造が違う。アジア選手権とアジア競技大会が2週間の間隔で並び、それぞれ別のメンバーで臨むことになる。


8月25日のブラジル戦に出場する16人と、アジア競技大会に出場する12人。
この2つのリストを重ねると、5人の名前が両方に載っている。誰がどちらを戦うのか整理する。

※以下、日程とメンバーは2026年8月20日時点。

9月に2つの大会が並ぶ

男子日本代表は9月4日から13日にかけて、福岡県北九州市でアジア選手権を戦う。
優勝すれば2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権が得られる大会である。

その2週間後、9月27日から10月3日にはアジア競技大会が愛知県で行われる。

【男子バレー日本代表】石川祐希らが9月のアジア大会にいない理...の画像はこちら >>

アジア競技大会の出場選手12人は、7月31日にすでに発表されている。
主将はアウトサイドヒッターの新井雄大。監督はアジア選手権と同じロラン・ティリ氏が務める。

一方、アジア選手権のメンバーは8月20日時点で発表されていない。8月25日のブラジル戦に臨む16人が、現時点で公表されている最新の顔ぶれとなる。

同じ監督が、9月に2つのチームを率いる。


日程が重ならないとはいえ、アジア選手権の終了からアジア競技大会の開幕までは14日間しかない。

両方に名前がある5人

ブラジル戦の16人と、アジア競技大会の12人。この2つを突き合わせると、5人が重複している。

【男子バレー日本代表】石川祐希らが9月のアジア大会にいない理由 代表は2つに分かれる

大塚達宣、河東祐大、甲斐優斗、西本圭吾、西川馨太郎の5人である。
ポジションはアウトサイドヒッターが2人、ミドルブロッカーが2人、セッターが1人。

この5人がアジア選手権のメンバーにも入れば、9月に2つの大会を続けて戦うことになる。
逆に、アジア選手権のメンバーから外れれば、アジア競技大会に照準を合わせる形になる。

5人の顔ぶれには特徴がある。
大塚達宣はイタリアのクラブに所属し、ネーションズリーグでも起用されてきた。甲斐優斗は22歳で、ブラジル戦の16人では最年少にあたる。西川馨太郎と河東祐大は、アジア競技大会の発表時にブラジル戦のメンバーより先に名前が出ていた。

年齢や経験の異なる選手が並んでおり、単純に若手中心とも中堅中心とも言えない構成である。アジア選手権のメンバー発表は、この点でも注目される。

延べ28人を23人で回す

2つのリストを合わせると、延べ28人分の枠がある。ただし5人が重複しているため、実際に名前が挙がっているのは23人だ。

ブラジル戦の16人のうち、アジア競技大会に選ばれていないのは11人。
石川祐希、髙橋藍、西田有志、宮浦健人、富田将馬、小野寺太志、山内晶大、深津英臣、小川智大、山本智大、エバデダン ラリーである。

アジア競技大会の12人のうち、ブラジル戦に入っていないのは7人。
新井雄大、西山大翔、髙橋慶帆、下川諒、後藤陸翔、麻野堅斗、高橋和幸となる。

23人が2つの大会に振り分けられている。
日本代表の層をどう使うかという設計が、この数字に表れている。

2026年度の日本代表登録メンバーから見れば、9月の2大会だけで23人が動くことになる。ひとつの大会に主力を集中させるのではなく、2つの大会に人を割り振る形が取られている。

日本バレーボール協会はこの夏、AチームとBチームを並行して活動させてきた。7月にはBチームがキューバやイタリアと国際親善試合を戦っている。
9月の編成は、その延長線上にあると見ることもできる。

主力はアジア選手権に集まる形

アジア競技大会の12人が発表された7月31日の時点で、石川祐希、髙橋藍、西田有志はメンバーに入っていなかった。

3人はいずれもブラジル戦の16人に名を連ねている。石川はブラジル戦で主将を務める。

オリンピック出場権がかかるアジア選手権と、総合競技大会であるアジア競技大会。前者に主力が集まる編成になっていることが、7月末の発表段階から読み取れる形になっていた。

もっとも、アジア選手権のメンバーはまだ発表されていない。ブラジル戦の16人がそのまま移行するのか、人数が絞られるのか、あるいは別の選手が加わるのかは、発表を待つことになる。

8月25日をどう見るか

ブラジル戦は、アジア選手権の前に国内で組まれた唯一の実戦である。

日本代表は7月27日から8月2日までネーションズリーグのファイナルラウンドを戦い、その後は8月10日から鹿児島県薩摩川内市、8月17日からは味の素ナショナルトレーニングセンターで合宿を続けてきた。合宿は8月31日まで続く。

その途中に置かれた1試合が、8月25日のブラジル戦だ。合宿を中断して試合に臨み、また合宿に戻る。ブラジル戦から10日後に、アジア選手権が開幕する。

16人のうち誰がコートに立ち、どの組み合わせが試されるのか。アジア選手権のメンバーを占う材料としても、この1試合は見どころがある。

相手のブラジルは、世界の上位に位置し続けてきた国である。アジア選手権で当たる相手とはタイプが異なり、本番前に基準を確かめる相手としては申し分ない。

アジア選手権では優勝が2028年ロサンゼルスオリンピックの出場権に直結する。その前に組まれた最後の実戦で、どんな形が試されるか。8月25日は結果以上に、中身を見る一戦になる。

※日程とメンバーはいずれも2026年8月20日時点。

文:SPORTS BULL(スポーツブル)編集部
編集部おすすめ