2月のミラノ・コルティナ冬季五輪のフィギュアスケートペアで、日本史上初めて金メダルを獲得した三浦璃来さん(24)と木原龍一さん(34)が23日、婚約したことを発表した。五輪での逆転劇で人気爆発したりくりゅう。

常に関係性が注目され続けた2人が結ばれ、日本中が祝福に包まれた。4月の引退後の活動も常に2人で“夫婦同然”だった。

 2人はインスタグラムを通じ、連名でコメントを発表。「婚約しました。嬉しい時も、辛い時も、たくさんの時間を共に過ごし、支え合いながら歩んできました。いつしか、お互いにとってかけがえのない、なくてはならない存在となりました」と関係性を説明。氷上で木原さんがひざまずき、三浦さんに指輪を見せるショットや笑顔で指輪を見せる2人の幸せいっぱいショットが公開された。

 ショートプログラム5位から五輪ペア史上最大となる6・90点差をひっくり返したフリーの大一番。一糸乱れぬあうんの呼吸で、高難度の技を次々と決めて世界最高得点をマークした。ベストを出し切った2人はひざまずき、泣きながら抱き合った。SPのリフトでミスが出て、フリーの演技直前まで泣き続ける木原に、三浦は「私は今日、龍一くんのために滑るよ」と鼓舞し、木原は「お互いのために滑ろう」と前を向いたという。最後までパートナーを信じ、逆境でもあきらめない姿が日本中に共感と感動を呼んだ。

 細やかな気遣いにも愛情を感じさせた。表彰式で木原が三浦をひょいと持ち上げて移動させる姿、通称「木原運送」について木原は「璃来ちゃんが変なところでこけてしまうので、ケガをしてほしくないなという思いがあって」と、ケガのリスクを減らすためだと説明していた。

 男女ペアのスポーツは、色眼鏡で見られてしまいがちだ。バドミントン卓球、テニスなどの「混合ダブルス」よりもフィギュアはその傾向が強い。時に体を密着させ、多幸感あふれる雰囲気…技だけでなく美しさも問われる特性があるからだ。ネット上では、2人の関係性を勘ぐる声も。しかし一方で「りくりゅうは恋人とか夫婦とか、そういう関係性を超越した繋がりがあると思う」と、温かく見守るファンのほうが多かったのではないか。この日の「ようやく皆様にご報告できることを、心から嬉しく思います」という一言からも、ファンへの感謝がうかがえる。

 りくりゅうの2人が、その関係に言及することもあった。2月に日本記者クラブで会見行った際には、司会者が意を決して「りくりゅうのお二人、本当にもう見ようによっては、本当にいろんな関係に見えるんですよね。仲のいい兄弟にも見える。友人関係にも見える。

夫婦漫才にも見える。りくりゅう、何が正解なの?っていうのを一言」とたずねた。これを受け三浦は「それを超えているよね」と答え、木原は「戦友じゃないですけど」と明かすと三浦は「一緒にいて当たり前ですし」とコメント。木原は「ケンカもすごいしますし」とし三浦は「やっぱり家族みたいになっている」と明かすと木原は「あとはご想像にお任せします」とニッコリ。笑顔で誠実に答える姿は、余裕さえ感じさせた。

 2月に放送されたNHKスペシャル「絆でつかんだ金メダル りくりゅう 二人の軌跡」では、木原は三浦について「本当に競技以外でもどんな形であれ体が動くうちは、璃来ちゃんと一日でも長く滑れたらいいなって思います。もう史上最高のパートナーで、璃来ちゃんしかパートナーはいないなっていうふうに思いますし、もし生まれ変わってもう一度ペアをするにしても、必ず璃来ちゃんとチームを組みたいなっていうふうに思います」。まるでプロポーズのような重みのある言葉だった。

 今年4月17日に引退を発表し、プロ転向を表明したりくりゅう。その後の活動は常に一緒だった。7、8月には「カップル競技の魅力を伝えたい」(三浦さん)と、ペアとアイスダンスのカップルに特化したアイスショーを2人で主催。そしてYouTubeチャンネル「りくりゅうちゃんねる」を開設し日常を発信し始めた。

夫婦の関係になっても、りくりゅうの「愛」をファンは待っている。

編集部おすすめ