星野源が新曲を歌っている、花王「ビオレu」の新コマーシャル。最近、テレビでよく見かけるかと思います。


このように、企業が自社の商品・サービスを宣伝するために、有名アーティストの新曲とコラボするという手法は一般的です。ですが、宣伝のために音楽ユニットを結成し、さらにはオリジナル楽曲までリリースした事例というと、あまり多くありません。

そこで今回、特に印象的だったCMきっかけで誕生した期間限定ユニット3組を紹介していきます。

ICE BOX(アイスボックス)


森永製菓のロングセラー商品『ICE BOX』。かつてこの氷菓を宣伝するために、商品名をそのまま冠した4人組の期間限定ユニットが、1994年に結成されたのをご存じでしょうか?

プロデュースを務めたのは秋元康。当初は話題性を高める目的から、CDジャケットに顔写真すら載らない“覆面ユニット”としての扱いを受けていた“ICE BOX”でしたが、TVCMによって情報が解禁。
ユニットのメンバーは、吉岡忍、伊秩弘将、池田聡、中西圭三だと判明しました。


後にSPEEDのプロデューサーを務める伊秩や『Choo Choo TRAIN』や『Timing』(ブラックビスケッツ)の作曲者・中西を筆頭に、一流ミュージシャンが顔を揃えただけあって、ファーストシングル『冷たいキス』はなかなかの良曲。オリコン週間7位、累計販売数55万枚としっかり結果も残しています。

ユニットはシングル2枚、アルバム1枚をリリースして契約通り解散しますが、翌1995年には、後にLe Coupleとしてデビューする藤田恵美や小柳ゆきの実姉・美裕リュウを含む、女性4人組の後継ユニット「ICE BOX BABY」もデビューしました。

カロゴンズ(カローラツーリングワゴン)


先日、篠原ともえが自身のインスタグラムに、ユースケ・サンタマリアとのツーショット写真をアップしました。どうやら、久しぶりの対談を果たしたらしいのです。
この2人といえば、カロゴンズ……。そう連想できるのは、きっと、20代後半より上の世代の方に違いありません。


さかのぼること今から20年前。1997年に放送されていた、トヨタ自動車・カローラツーリングワゴンのCMで共演したシノラーとユースケは「ゴーゴーカーロゴン♪カーロゴン♪カーロゴン♪」という、なんとも印象的なフレーズを口ずさんでいました。

この歌は瞬く間に評判を呼び、その勢いに乗って、2人は音楽ユニット『カロゴンズ』を結成。1998年1月には、シングル『カロゴンズのテーマ』、同年5月にはシングル『カロゴンズのラブソング』を発売しました。

話を現在に巻き戻して、今年の3月。篠原は自身が監修を務めたベストアルバムに、カロゴンズ名義の2曲を収録したのだとか。

そのこともあって、先述の対談でデュエットを歌った思い出話をユースケに振ると、彼は「(カロゴンズは)俺の黒歴史」と、バッサリ切り捨てたといいます。2人の「カロゴンズ愛」には、かなりの温度差があるようです。

仲間由紀恵 with ダウンローズ(au)


まだ、「ダウンロード」という言葉が、ギリギリ新鮮だった2006年1月。『au』のTVCMに突如、仲間由紀恵 with ダウンローズは降臨しました。

CM第一弾は、「CMをご覧のみなさん、こんにちわ!仲間由紀恵 with ダウンローズです!」と、カウントダウンTVにおけるアーティストの曲紹介VTRふうな挨拶から、流れでスタジオライブのシーンが始まるも「えっ、ホントに歌うんですか!?」という仲間のセリフで終了。
第二弾から、デビューシングル『恋のダウンロード』がオンエアされます。


黒歴史と揶揄されることも多い仲間の歌手活動ですが、この曲はいわずとしれた大作曲家・筒美京平が作曲を、MISIAと宇多田ヒカルのデビュー時におけるブレーン・松尾潔が作詞を務めるという、豪華すぎる体制で臨んだこともあり、かなり良い曲に仕上がっていました。
(こじへい)

※文中の画像はamazonよりカロゴンズのラブソング