雑誌見出しで振り返る『東京ラブストーリー』のあの頃
雑誌記事の一部。読んでるだけで恥ずかしくて「カ〜ッ、やってらんねぇな」と赤面してしまう私は、汚れてしまったのでしょうか。
織田裕二の久しぶりの恋愛モノ、さらに『東京ラブストーリー』のスタッフとあって、月9の『ラストクリスマス』が話題となっている。

近年は「純愛ブーム」なんていわれてるが、愛だの恋だの騒いでるのは、昔から変わらない気もするが…。
はたして十数年前、『東京ラブストーリー』の頃(1991年)はどうだったのか。雑誌の見出しで、当時を振り返ってみたい。

何はさておき、どの雑誌も夢中だったのは、赤名リカの「SEXしよっ!」発言に代表される積極性。これは女性誌と男性誌で扱いが完全に分かれている。

たとえば、「超人気!東京ラブストーリー 『SEXしようよ』と明るくいえる奔放娘、保奈美のように生きたい」(微笑・2月23日号)、「『東京ラブストーリー』ヒロイン研究 赤名リカみたいな恋がしたい! 必須7か条」(女性セブン・3月7日号)、「『24時間、好きって言って!』人気ドラマ東京ラブストーリーの赤名リカの積極恋愛術に学ぼう」(女性自身・3月12日号)、「赤名リカのスタイルを盗め! 恋も仕事も東京ラブストーリーがお手本!」(女性自身・3月26日号)、「『東京ラブストーリー』赤名リカを見習え 時代は女のコから『セックスしよっ』だ」(週刊テーミス・4月3日号)などなど。

でも、いくら女性誌がすすめたところで、往来で「SEXしよっ」と叫ぶようなエキセントリックな女性は現れなかったし、本気で赤名リカになりたいなんて誰も思ってなかった気がするが…(本当に思ってたらどうしよう)。


それでも、男性誌は、これを深刻視し、「スクープワイド 湾岸戦争の裏の忘れてはいけない事件(4)あなたの娘や恋人を虜にする『東京ラブストーリー』の『SEXしようよ症候群』に御用心」(週刊ポスト・3月1日号)などと取り上げている。それにしても、「湾岸戦争の裏」とはまた、大事件である。

また、「FIND OUT 東京ラブストーリーの大ヒット&純愛ブームの果てにただいま“カンチ悩み”増殖中」(ACROSS・6月号)、「人気TVドラマに登場する主人公たちは、現代の男のタイプを象徴している 東京ラブストーリー・ふぞろいの林檎たち?」(クリーク・5月20日号)など、男側の現象を指摘した記事も多数あった。こちらはリカ増殖説に比べ、リアリティがあるが、パンチは弱いかも…。

ちなみに、個人的にいちばん気に入ったのは、
「ザ・テレビスペシャル『東京ラブストーリー』はお茶漬けの味。鈴木保奈美・織田裕二を感激させたロケ隊の手作り夜食」(週刊明星・3月28日号)。
バブル、保奈美、織田裕二を「茶漬け」で結びつけてしまう、強引なしょっぱさが独自の芸風でステキだ。また、
「『東京ラブストーリー』メモリアルグラフ リカの気持ち痛いほど感じちゃう」(週刊明星・7月4日号)も、なんだかAVのタイトルのようで新鮮。

『ラストクリスマス』では、はたしてどんな雑誌記事が現れるのか。いまから楽しみです。(田幸和歌子)