動く! 光る! やりたい放題「マン盆栽」の行方
現在、「動く!〜」は4種類。森で熊に出会ってしまった仲良し3人組の「ハイキング、ヤッホー!」、ベンチでカップルがくっついたり離れたりする「ベサメムーチョ」、杉の木を切る「与作」、近未来のSFフューチャー盆栽「宇宙旅行」がある。
パラダイス山元氏考案の、盆栽にフィギュアをからめたジオラマのような「マン盆栽」が、新たな展開を始めている。
11月27日に「動く! ザ マン盆栽」が、12月には「光る! ザ マン盆栽」が立て続けにタカラから発売。
そう、オモチャなので、もう生きた「盆栽」すら使ってないわけだ。

そもそもなぜ盆栽が動いたり、光ったりする必要があるのか。「マン盆栽」は、本流の盆栽愛好家からすれば「邪道」であり、「冒涜」ですらあるだろうに、さらにフィギュアが動いたり、音楽が流れたり、ライトアップされたり…これは由々しき事態かもしれません。

というわけで、パラダイス山元氏にその意図を聞いてみたところ、
「盆栽の権威からは『噴飯物の玩具』と思われるでしょうね。でも、闘志をかきたてられます」と好戦的。商品化の経緯は、次の通りだ。
「盆栽は外で育てるもので、家の中には不向き。これまでも家の中でマン盆栽をやっていて、枯らしてしまったという声が多かったんです」

実際、氏自身、これまで何百鉢も枯らしており、うまく育てるのは相当難しいと言う。
「しかも、聞いてみると、仕事机の上やパソコンに置く人が多いらしく、『水やったら、パソコンのモニターがこわれた』とか『パソコンに置いたらすぐ枯れた』なんて意見を聞くこともしばしば。また、盆栽には興味があっても、本物に抵抗がある人などにも楽しんでもらえるものを…と考案しました」

ところで、3990円というのは、オモチャとしては決して安くない値段だが、
「モーターや電子回路を組み込むために、中国の女工さんが80人もかかわっているんです。木も手で塗ってるし、葉っぱも全部手作業だから、1個完成させるまでに、200人の手がかかってる。それを見たら、ありがたみを感じて欲しいなぁと思いまして。
それに、同じような枝ぶりの盆栽なら、2〜3倍の値段はしますよ」
3メートルぐらい離れれば本物に見える!と力説するパラダイス山元氏。

一方、「光る!〜」のほうは、フィギュアは動かないが、ほんのり地味に光るのが「和テイストなサンタクロース」とか。ちなみに、1500個限定だが、すでに約100個はパラダイス山元氏自身が予約済み。ご存知の人も多いだろうが、彼は日本の公認サンタクロースなのだ。
「『光る!〜』は、スウェーデンやノルウェーのサンタに欲しいと言われまして。それで、公認サンタ180人のうち、山元に賛成してくれてる半数のサンタにプレゼントする予定で。サンタからサンタへのプレゼントです(笑)」

今後は、アロマとからめた「香る! ザ マン盆栽」や家電とハイブリッドする「携帯の着信を知らせるマン盆栽」、「ガス漏れを知らせるマン盆栽」など、へんてこなものをどんどん出していきたいそうだ。(田幸和歌子)
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