
昔は薄い綿のタイプのものが主流だったけど、最近はミニタオルもあって使い勝手のいいものが増えてきたように思う。
ところでこのミニタオル、いつのまにか身近な存在になっている。もしかしたら、ミニタオル派がハンカチ派を圧倒しているのかもしれないなどと勝手なことを考えつつ、ハンカチメーカーの「川辺」にハンカチについて話を聞いてみた。
「2004年度で言いますと、ハンカチとミニタオルの売上枚数の割合は、ハンカチ56.5%、ミニタオル43.5%です。やはり主流はハンカチですね。上代もハンカチとミニタオルでは違いますし」
とのことだった。
「ミニタオルが市場での地位が確立したのは、ここ7〜8年ではないかと思います。ミニタオルが登場した年代というのは、明確ではないんですが、80年頃にスポーツ系のブランドで小さめのタオルが出たりして、その派生ともいえます。タオルとハンカチの境目も曖昧ですし、同じブランドでもタオルメーカーが出しているものと、ハンカチメーカーが出しているものと、複数のメーカーから出ているものもあります。ハンカチは、実は隙間、隙間で発展してきている業界なんですよ」
と販売促進課の藤村さん。
最近の傾向についてうかがうと、
「ハンカチのサイズも昔より全体的に大判になっています。また逆に手のひらサイズの小さいものもあり、変化に富んでいます。
と藤浦さん。
そもそも日本には、一枚の布で手を拭いたり、汗をぬぐったり、頭に巻いたり、物をつつんだりという手ぬぐい文化がある。ハンカチも時代とともに使われ方が変化していくのは、日本ならではの文化と言えるかもしれない。
また、日本ではハンカチは拭くものというイメージが強いが、ヨーロッパではハンカチは鼻をかむ物として使われてきたのは有名な話。しかし、日本で生まれたハンカチ文化もあるのをご存知だろうか。
それはブランドもののハンカチ。セリーヌ、ピエール・カルダン、ロイヤルドルトンなどブランドのハンカチは、日本で生まれたものだったというのだ。藤村さんによると、基本的に欧米ではブランドもののハンカチは作られていないそうで、あったとしてもそれは日本経由ではないかとのこと。
「ハンカチは手ごろなお値段で手に入れられるブランド品でもあるんです」
と藤村さん。
ハンカチは、実用的な服飾雑貨で好みが限定されない、何枚持っていてもいい、ということから昔からギフト需要の高い商品といわれている。これにブランド力が加われば鬼に金棒である。
(こや)