「七味缶」が音楽プレイヤーになった!
八幡屋磯五郎のホンモノの七味缶を使っているので、「えっ、七味からヘッドフォンが!?」と、街で注目されそうです。
最近では、大きなコンポよりも、iPodなど、携帯音楽プレイヤーに高音質ヘッドフォンやスピーカーなどをプラスして、音楽を聴くスタイルが主流になりつつある。
そんななか、小さいだけでなく、思いきり遊び心のある携帯音楽プレイヤーが11月上旬に発売されるという。


ホンモノの七味缶を使った「八幡屋礒五郎 MP3PLAYER 音楽缶」。
八幡屋礒五郎は、かつてBitでも「七味持ち歩きギャル」の記事でご紹介したが、創業280年あまりの歴史を持つ、長野・善光寺の老舗七味屋さんだ。
この唐辛子と善光寺が描かれたブリキ缶は、ピリリと辛い七味の味そのものと同様に、昔からのファンが多いものである。

さて、この音楽プレイヤー、128MBと、容量こそ小さいものの、見た目はごく普通の七味の「中辛」缶そのまんま。ここにネックストラップと一体となったヘッドフォンがついて、音楽が聴けるというのだから、実に面白い試みである。
それにしても、なぜ七味缶で音楽プレイヤーを? 

八幡屋礒五郎の総務部担当者は言う。

「もともと社長が、缶を使ったジョーク的な商品を思い描いていて、ここ最近の技術の進歩により、MP3が納められるようになったんです」
老舗の七味は、すでに年配層などには支持されているが、これは「若年層へのアプローチ」なのだという。

それにしても、39.5ミリ×66ミリという小ささには驚かされるが、
「実は3分の1ぐらいスペースがまだ空いてるんですよ。小さな七味のひとふり程度が入れられるぐらいの空白部分があるんです」とのこと。
データはフラッシュメモリでPCから取り込む形式で、リチウムポリマー充電池を使用しているとか。

シブイ小さな七味缶を首からぶらさげ、音楽鑑賞――こんな度肝を抜く音楽の楽しみ方は、いかが?
(田幸和歌子)