グラミー賞やアカデミー賞なる全米のエンターテインメント系の授賞式大イベントが一段落した最近。

毎年話題になるのは決まって、誰がどんなデザイナーのドレスを着たか? どんなスピーチをしたか? のようなものだが、同時にどんなお土産をもらうのか? というのも注目される。


実はこれらの授賞式にはノミネート者はもちろんだが、プレゼンターやパフォーマンスをしてくれた人でもノーギャラ。つまり出演料は出ないらしいのだ。
その代わりに「お土産バッグ」がもらえるという。中味の商品の合計金額は日本円で75万円以上にもなるということで、選び抜かれた高級化粧品やアクセサリー、旅行券や一流ホテル券など、ありとあらゆるセレブが好みそうな物の詰め合わせになっている。

その中の一品に高級チョコレートがあったのだが、実はそのチョコレートを作ったのは日本人女性。シカゴ郊外でチョコレート屋さん「ショコラティン(Chocolatines)」を経営している和田理恵子さんのダイヤモンドコレクションの中のひとつ「ホワイトゴールド」が入っていた。

チョコレートというよりもまさにホワイトゴールドそのもの。上質なシャンパンをふんだんに使ったチョコレートで、真ん中には砂糖でできたダイヤモンドキャンディーが輝いている。きらめきの色具合など、今までに見たこともないアートなチョコレートだ。

そんなセレブに歓迎されるチョコレート職人の和田さんは、米国でMBA取得後、旅行会社経営を経てインテリアデザイナーになり、フレンチシェフになりつつも、アートが好きなこともあり、チョコレートでアート的なものができたら? と思いチョコレート職人の道を進むようになったらしい。しかしそのかたわらでピラティスのインストラクターでもあり、チョコレートを作りながらも、市販薬や処方箋の薬に頼らずに自分自身や人々の健康や身体に配慮し、自然治癒力を高めるレッスンを施しているという。

「睡眠時間は2~3時間、なんていうのが普通かしら。
小さい頃からしたかったこと、やってみたかったことを一つ一つ消化している状態で、いつも何らかの学校に行ったりアシスタントをしていたり、と忙しいのよ」と和田さん。

ショコラティンのお店もマーケティングからセールス、当然ながらチョコレート作りまでを一人でやり遂げているそうだ。
「グラミーやオスカーのお土産チョコレート制作では手伝いを頼み、かなりの量のチョコレートを4人でシフトを組んで手作業でさばいたのよ」というバイタリティーに溢れる素敵な女性だ。

全米各メディアで取り上げられて以来、アメリカ内および、ヨーロッパ方面からもオーダー依頼がきているそうだが
「工場化や機械化にだけはしたくない、一つ一つ丁寧に目と手をかけて作りたい」という和田さんの強い思いで、大きなイベント物や大量オーダーはどうしても受け付けできない状態だという。

和田さんのチョコレートには、優しい女性的な食感があり、どこか懐かしいようなちょっと日本っぽいようなそんな気分になれるものがある。
とはいえ、男性でも楽しめそうなベーコンにチョコレートがかかったものや、ブルーチーズとチョコレートの組み合わせなど遊び心が入ったものもある。

現在、ANA全日空のシカゴ~東京間のファーストクラスでショコラティンのチョコレートを試食することができるそうだが、やはりファーストクラス「セレブのチョコレート」のようである。

そんなチョコレートを食べてみた~い! という方、是非ともシカゴへいらしてチョコレートダイヤモンドをお試しください。
(シカゴ/あらた)
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