例えば、ドイツの成績の「2」と「3」の間に、「2~3」とか「2マイナス」とか「2プラス」という中間評価が挿入されることが多いのですが、これが不明確で不可解極まりないクセもの。そもそも、「2プラス」と「2マイナス」、どちらをもらったら嬉しいのか、おかわりになりますか?
まず「2~3」という成績ですが、これは「2」と「3」のちょうど中間という意味。最初から素直に「2.5」と表記してくれればどんなにわかりやすいことか。続くクセものは「2プラス」と「2マイナス」。イメージ的に、「2プラス」は2より大きい数で、「2マイナス」は2より小さい数ですから、数が小さいほど高成績のドイツでは、「2マイナス」の方が成績が良いような印象を受けますが、これがなぜか逆。
なぜなら、「2プラス」は2.0よりも良い成績(つまり、プラスのイメージ)であり、逆に「2マイナス」は2.0より悪い成績(つまり、マイナスのイメージ)ととらえるので、「2プラス」の方が良い成績ということになります。
さて、ここまで辛抱強くお読み下さった皆さまにおかれましては、すでにかなり脳内が混乱していることとお見舞い申し上げます。最後に、評価数値をすっきりまとめてみたいと思います。
ドイツの通知表(成績が良い順に)
1.0
1マイナス(最高点である1.0になるには、もう一歩足りないイメージ=1.25に相当)
1~2(=1と2のちょうど中間=1.5に相当)
2プラス(2.0と1~2の中間評価=1.75)
2.0
2マイナス(2.0と2~3の中間=2.25)
2~3(=2.5)
3プラス(3.0と2~3の中間=2.75)
3.0
3マイナス(3.0と3~4の中間=3.25)
3~4(=3.5のこと)
以下続く……。
ちなみに、最低評価は一般的に「6」ですが、「6」という数値は落第を意味しますので、その教科が必須科目である場合は、翌年に再履修せねばなりません。
(柴山香)