地中海をメインフィールドに「シエスタ写真家」として活動しているASUHA-明日葉-さん。先日、地中海で暮らすネコの写真集「エーゲ海のねこ シエスタの町から」(PHP研究所刊)を発売した。
日本とは環境の違う地域でのネコの暮らしぶりを聞いてみた。

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い


ASUHA-明日葉-さんは大の旅好きでさまざまな国を訪れていることから、まずは、日本で出会うネコと海外のネコに違いはあるのか聞いてみた。
「もちろん個体差はありますが、オーストラリアのネコの鼻は長くて、横から見るとツンとしてますね」
それは興味津々。地中海のネコはどうかというと
「三毛猫が少なくて、黒ネコや茶トラのネコが多い気がします」
地中海では、地域によっては、家は白をベースにするように定められていることもあり、黒いネコと遭遇した時は、白と黒のコントラストがたまらないそうだ。
「ただ、写真を撮るのが好きな人ならお分かりかと思うんですが、撮影する上で困ったことがあって、白色が強すぎると色が飛んでしまうんです。黒に合わせても見た目通りの写真になりにくいのがネックですね」
しかし、白い部分が多いということはレフ板がわりになるということでもある。

「黒ネコ以外にネコであれば、反射をうまく利用すると、綺麗な写真が撮りやすくなります」

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い


海水の温度が低く、プランクトンが発生しにくいこともあり、海の色が青々としている。
「空の色も海の色も、エーゲ海地方の青さは日本では見られない色です」

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い


ネコにとって生活しやすいのか、非常にのんびりしている。
「例えば、自動車やバイクが通れない地域があったり、食べ物も農薬を使わない良質なものが多かったり。人間にとっても地中海式の食事は体に良いっていいますし」
――絶景ポイントが多いのもその一つの要因かもしれませんね。
「確かに、ネコが海をじっと見つめていることがあります。傍から見ると、黄昏ているように見えますね」
ただし、地中海に行けばどの地域でもたくさんのネコと遭遇できるかというと、そういうわけではないそうだ。
やはり、ネコに合う環境とそうではない環境があるそうだ。

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い


●ネコを撮るのは日本人の特徴

特にここ数年、ネコが話題に上ることが増えているが、ネコの写真を撮る人がこんなに多いのは日本だけで、海外の人はネコの写真をあまり撮らないと言われている。

「エーゲ海の人たちは、ネコを同じ町の住民として、人間と対等に接している感じがします。街角でネコを撮っていたら、『そんなにネコが好きなら、日本に連れて帰っていいよ』って言われたことがありました(笑)」

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い


星野道夫さん(写真家・故人)はアラスカに憧れ、エスキモーの生き方を追っていった。自分は地中海に憧れ、そこに暮らす人々の生き方を追っている…というASUHA-明日葉-さん。世界でただ一人の「シエスタ写真家」として「ゆったり、まったり、のんびり……そんな癒しのひとときを読者の方々に届けることができたらと思って構成しました」とのこと。
何かと慌ただしいこの時期。のんびりとくつろぐエーゲ海のネコを鑑賞して、少しでも癒されたいものである。
(取材・文/やきそばかおる)

「エーゲ海のねこ シエスタの町から」(ASUHA-明日葉-著 PHP研究所刊)発売中

エーゲ海のネコは絶景にウットリ~「シエスタ写真家」に聞く日本と海外のネコの違い

青く澄みわたる海と空に縁どられた白い町並み。そんな異国情緒あふれるエーゲ海の島々に暮らすネコたちを集めたコレクション。10年間撮りためた作品の中から選りすぐった約100点を掲載。

●ASUHA-明日葉-さんの公式ウェブサイト
In the town of SIESTA ‐シエスタの町で‐

公式ブログ(※エキサイトブログ)
In the town of SIESTA ☆Graffiti☆ ‐シエスタの町で‐

(ASUHA-明日葉-さんのプロフィール)
広島県福山市生まれ。

学生時代から大の旅好きで、世界中を放浪。カナダの旅でたくさんの野生動物と出逢い、写真を撮るようになる。現在はギリシャ・エーゲ海に浮かぶ島々をはじめとする地中海地方をメインフィールドとして、現地のイヌやネコとふれあいながら、“シエスタ&癒し” をテーマに撮影を続けている。