「日本の技術は繊細」とはよくいわれるが、まさにその表現がしっくりくるアクセサリーブランドがある。「AYUKO HISHIKAWA Paper Accessory(アユコ ヒシカワ ペーパー アクセサリー)」。ブランド名のとおり、紙、それも和紙を素材にしている。
紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
「fujiリング」(4800円税抜)

同ブランドは、山梨県の和紙メーカー大直とニューヨークを拠点に活躍するハットデザイナー、ヒシカワアユコさんとのコラボレーションで今年春に誕生した。
紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
「fuji Lピアス」(8000円税抜)


まるでホンモノ!? 花をモチーフにした美しいアクセサリー


どんなものか気になり、お店へ。実物を見てみると、紙とは思えない緻密な立体加工の技術にびっくり!
紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
「tanpopoイヤリング」(4800円税抜)

ぱっと見ただけでは、紙とはわからない。お客さんからも、「革ですか?」とか「ブリザーブドフラワー?」などと聞かれることもあるそうだ。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
「Anemone Lコサージュ」(16000円税抜)

実はこの素材、一般的な和紙ではなく、大直が開発した「ナオロン」という特殊な和紙。もともと「破れない障子紙」として開発され、商業施設などで重宝されてきた素材だ。水に強いので濡れて形が崩れる心配もなく、強度もあるためニスなどでのコーティングも不要。使っていくほどに和紙独特の風合いになっていくのだという。

紙なのにコテでカールさせて成形


アクセサリーは、パーツごとにカットした「ナオロン」に切り込みや筋目を入れ、コテで熱をあてながら立体的に成形し、組み合わせて作っていく。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー

紙でありながらコテで加熱することができ、さらにバーナーで火を当てて先端を溶かし、独特の質感を出した「雫mum」シリーズもある。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
先端を熱で溶かした「雫mumブローチ」(8000円税抜)

さまざまな工程でのプロ技はぜひ以下の動画をチェックしてみてほしい。



ワークショップで素材のおもしろさを実感


ちょうど先日、一般の人向けのワークショップが開催されたので、紙がアクセサリーになる様子を生でも見てきた。

内容はブローチづくり。参加者はあらかじめコテで花の形に成形されたパーツを使い、それを組み合わせる工程を体験していた。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
後方のパーツをコテでカールさせると手前の花の形になる

手で持っても、形がまったく崩れないのもスゴイ。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー
成形されたパーツ。横から見るとこんな感じ

まずはピンセットを使い、2つの花を重ね合わせる。色の組み合わせ次第で、カラフルにも、シックにもなる。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー

この花を6つ作り、ブローチの土台に縫い付けていく。紙なのに糸で縫えるのも強度があるからこそ。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー

40分ほどで完成! 触り心地はしっかりしているが、見た目は繊細な和紙の風合いがあり、そのギャップもおもしろい。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー

「ワークショップが和紙に注目するきっかけになればいいなと思っています。紙という素材のおもしろさを知ってもらいたいですね」(営業・斉藤さん)

紙だから軽いので付け心地もいい


「AYUKO HISHIKAWA Paper Accessory」は紙なので軽く、大振りのコサージュやボリュームのあるピアスもラクにつけられる。和紙という素材なので、和装にもあうし、カジュアルなニットやTシャツなど、着る服を選ばないのもポイントだ。

紙とは思えない緻密すぎる技術 最強の和紙でできたアクセサリー

商品は「SIWA Collection 東急プラザ銀座店」ほか、ブランドのホームページで販売中。日本のメーカーの技術と日本人デザイナーのセンスが光る、これまでになかった和紙アクセサリーブランド。素材の軽さも手伝って、つけると気分も軽やかになれそうだ。
(古屋江美子)