ガリガリ君は徐々にソフト路線になっている
2000年からはメーカーの冷蔵庫と工場を行き来する「ガリトラ」(ガリトレーラー)が深谷、所沢を走っており、「町を歩いていて見かけたらラッキー」などと、子どもたちに大評判とか。現在、「ガリガリ君といっしょに出かけよう!」キャンペーン中。詳しくは<a href=http://www.akagi.com/>HP</a>で。
暑くなると、無性に食べたくなる「ガリガリ君」。大きくて安くて、特に男子には絶大な人気を誇るが、久しぶりに食べてみると、あれ? ずいぶん食べやすくなっている気がする。
昔はもっと頭がキーンとしたのに。ガリガリ君、もしやソフト路線になったのか? 気になって、埼玉県深谷市の赤城乳業本社工場を訪ねた。対応してくれたのは営業本部のマーケティング担当・萩原さんとアシスタント守谷さんだ。

「ガリガリ君は81年に発売されたんですが、確かに、徐々にやわらかくなってますね。ただ、少しずつ変わっているので、ずっと食べている方は気づかないと思いますが」

もともと「片手で食べられるかき氷」として発売されたガリガリ君だが、当時は型にかき氷を流し込み、スティックにしただけのもので、陳列すると崩れたり、スティックが抜けてしまうという難点があったとか。その後、アイスキャンディーでコーティングする二層構造になったそうだが、近年、「やわらかくなった」理由は、一つに「氷の粒度」があるそうだ。


「昔は氷部分が大きく不揃いだったんです。それが、技術の向上によって、適度にガリガリする小さく揃った粒になったことで、食べやすくなったんでしょう」

また、大きく変わったのは3年前に「安心・安全」を打ち出すようになったこと。安定剤は天然の「ペクチン」を使用、合成の着色料なども一切使わなくなったため、ソフトな食感に変わってきたという。

「食品全体に、食感で味わうものが増えている流れもありますが、やはり安全性の影響は大きいでしょうね。昔は『ガリガリ君』はお母さんにダメだと言われるようなイメージでしたけど(笑)、今はスーパーで箱に入ったマルチタイプのものが主婦層によく売れているんですよ」(萩原さん)

ガリガリ君といえば夏のイメージだが、実際、一番少ない2月に対し、一番多い7月はなんと5倍以上もの売り上げになるとか! また、「男の子アイス」のイメージも強いが、60円のタイプの購入層は70%以上とやはり圧倒的に男性が多いという。でも…と守谷さんは付け加える。


「アイスは一般に200kcalくらいのものが多いんですが、ガリガリ君は70kcalと、非常に低カロリーなんですよ。しかも、体脂肪を燃焼させる効果もあるので、『ダイエットガリガリ君』もつくってみたいという意見が出ています」

通年で出ているのはソーダだが、これまで発売されたことがあるフレーバーは30種以上。5月末からは、氷部分にバニラアイスを混ぜたチューペットタイプの「シャリシャリ君 ソーダバニラ」(100円税別)も登場した。ちなみに、以前は設定として「ガリナちゃん」という妹もいたとか。

現在、量販店で7種のアイスをスポット的に企画ものとして置く「レインボー売り場」が行なわれ、全国で「ガリガリ君」の着ぐるみも写真撮影などで活躍中。

7月15日からは、山手線の一車両でガリガリ君が描かれた「アドトレイン」も走るし、いよいよやってくるぞ、ガリガリ君の夏!!(田幸和歌子)