先日の角川70%祭りの際にちらほらとこんな発言を見かけました。

「この機会に読んでみたいのはたくさんあるけれども、Kindle(Paperwhite)を持っていないしなあ……」

実は、Kindleストアの本はKindle Paperwhiteがなくても読むことができます。
iPhone/iPadや、Android端末があればアプリを使って読めるのです! それを知らないで読めないと思うのはもったいない!

というわけで、iPhone/iPadのiOS版と、Android版のKindleアプリについて解説していきたいと思います。

●iOS版は買い物ができない。

iOS版のKindleアプリは、本を読むことにかけては問題が無いのですが、本を買うことができません。本を買うときにはSafari等のブラウザを起動してAmazonのページへ行き、Kindleストアで購入するという形になります。

たくさん買ったら容量が足りないんじゃ……という人も大丈夫。データは「クラウド」と「端末」とに分けられていて、購入した本は「クラウド」にあります。
この段階ではiPhoneなどの本体の容量は消費しません。
KindleがなくてもKindleは読める。iOS版とAndroid版の違いを超ていねいに解説

読みたい本をそこから選び、ダウンロードすると「端末」に移ります。そこで容量が減るというわけです。なので、安心して買いまくっても大丈夫です。

ただし、iOS版のアプリのできは後述のAndroid版に比べるとやや悪いといえます。アプリ内で本を買えないこともそうなのですが、最新のiPhone/iPadじゃないと、たくさんの本を「端末」に移した場合アプリが落ちてしまうという報告がいくつもよせられているようです。
最新のiPhone/iPadを使っていない場合は、読み終わった本を端末から削除(この場合もクラウド上から消えるわけではないので、再び読みたくなったら再度ダウンロードできます)するようにしましょう。

本をたくさん購入したら、ある程度は「コレクション」機能を使って整理することもできます。
KindleがなくてもKindleは読める。iOS版とAndroid版の違いを超ていねいに解説

iPhoneでは画面が小さく感じますが、小説では文字の大きさを変更することができるため、意外と読みやすかったりします。漫画はちょっと読みにくいのですが、それでもカラーで読めるところがKindle Paperwhiteよりも優れているところと言えるでしょう。また、読んだ箇所を同期できるため、外ではiPhoneで本を読み、家ではタブレットで続きを読む、といった運用も可能です。

●Android版のできはいいが……

Android版のKindleアプリはできが良く、Kindle Paperwhiteでできることはほぼできると思ってもかまいません。
もちろん、iOS版でできることもすべてできます。

場合によってはKindle Paperwhiteよりも優れているのでは、と思えるのは「ボリュームボタンでの操作」をメニューの「設定」で有効にできることです。これを使うと、本体のボリュームスイッチの下を押すと次のページへ、上を押すとひとつ前のページへとめくっていけるようになるのです。
KindleがなくてもKindleは読める。iOS版とAndroid版の違いを超ていねいに解説

特にNexus7などの7インチタブレットなどで、片手で持ったまま読み進めていけるので、この機能は本当に便利です。いちいち画面タッチでページをめくろうと指を伸ばす必要がありません。同じ端末で音楽を常に再生しながら本を読むのでない限り、Android版のKindleアプリをインストールしたら最初に有効にしたい機能ですね。


Android版のKindleでは、アプリ内のメニューなどからKindleストアへ接続して、そのまま本を買うことができます。ただし、現在のバージョン(2014年2月現在)には少しバグがあって、一部の端末ではアプリ内でKindleストアにアクセスすることができず、ブラウザが起動してKindleストアにアクセスするiOS版と同じ挙動になっています。いま僕がメインで使っているNexus7(2013)ではこのような症状が2013年12月頃から起きていました。
KindleがなくてもKindleは読める。iOS版とAndroid版の違いを超ていねいに解説

Amazon.co.jpに問い合わせてみたところ、「Nexus7だけではなく、大きめの画面の端末でこのような現象が起きていることは把握している。これが(本国側で)わざとやっている挙動なのかどうかも含めて現在調査中。この件に関しては個別に報告することができないので、申し訳ないがアップデートを待って欲しい」とのことでした。


実際、Galaxy S4やNexus5ではアプリ内で購入ができたので、6インチか7インチ以上の端末ではブラウザになってしまうのでしょう。アップデートを待ちたいと思います。

●その他知っておくと便利なこと

Kindleストアでは購入ボタンのすぐ下に「配信先」という項目があります。ここで例えば「iPhone」を選ぶと、iPhoneのKindleアプリを起動すると自動的にダウンロードが始まります。いちいち「クラウド」を選んでダウンロードして……とやらなくて済むので、便利な機能です。

人によってはiPhoneとiPadを持っていたりと、複数端末を使っていることでしょう。
そういう人は、購入した後の確認画面に「他のデバイスへ配信」という項目がありますので、そこで自分の端末に好きなだけ配信をすることができます。

Kindle Paperwhiteは目にやさしかったり長時間動作できたり軽かったりと、メリットはたくさんあります。でも、わざわざKindle Paperwhiteを購入しなくても、使い慣れた端末でKindle本を読むことができるのです。人によっては(大きな画面の端末なら)見開きで読めたり、カラーで読めたりする分、アプリ版の方がいいかもしれません。まだ試していない人は今のうちに色々とアプリ版のKindleを使って、次のセールに備えておきましょう。
(杉村 啓)