西野「キングとったぞー!」
ナダル「俺らが8代目キングや!どやぁ

コント日本一を決めるTBS「キングオブコント2015」。10月11日に行われた決勝戦でコロコロチキチキペッパーズが優勝、8代目キングの栄冠を勝ち取った。

キングオブコント2015優勝コロコロチキチキペッパーズ「優勝、やっべぇぞ!」その声ズルい会見レポ
キングオブコント8代目キングとなったコロコロチキチキペッパーズ(左:ナダル、右:西野創人)

今回から審査方式が変わり、バナナマン・さまぁ〜ず・松本人志の5人が審査員となったのが一つの目玉だった本大会。準決勝で評判が高かった組がファーストステージで落選するなど、波乱含みの展開になりました。

これまでは準決勝で敗退した芸人たちが決勝で審査員をしていたこともあり、ライブ感のある「集団での笑い」が点数につながっていたのが、今回審査員形式になったことで「個の笑い」の評価に切り替わった印象。決勝では玄人的な評価がされる一方で、ライブで行われた準決勝の印象と評価軸が異なってしまったのが、「波乱」の一因と言えそう。

そんな中、2本のネタをきっちり揃えたコロコロチキチキペッパーズが頭ひとつ抜けた結果に。結成4年目・初出場・東京未進出ながら、まさにドリームをつかんだ形のコロチキ。
番組のエンドロールが流れるなか、涙しながら「優勝、やっべぇぞ!」とコメントとしたその直後。TBS局内で勝者インタビューが行われました。

「楽しかった」「楽しくなかった」



エントリーした2455組の頂点に立ったコロコロチキチキペッパーズ。大会の感想は「楽しかった」「楽しくなかった」と全く逆だった。

西野「いやもう、ビックリしすぎて。なんでここに着て、なんでこのジャケットを着てるのか。まだ全く実感がないです。
でも楽しかったことだけハッキリ覚えてます。」
ナダル「僕は……あの、あまり楽しくなくて。緊張感がすごくて。2本目のネタを僕が途中で噛んじゃったりして、すごい迷惑かけたなと思ったんですけど……。優勝僕らって呼ばれたときに実感が沸いて、いろんなお世話になった人のことがよぎって……素直に嬉しいです。」

結成4年目の彼らにとって、全国ネットでネタをやるどころか、生放送すら初めてのこと。編集でどうにもならないだけに、緊張もどんどん膨らんでしまう。

西野「だからもう練習……アホみたいにしたな?」
ナダル「(キメ顔で)アホみたいにしたな」
西野「今日の朝ホテルで寝てたら、9時ぐらいにコンコンって誰かノックしてきて、覗き穴みたらめっちゃ緊張した顔のナダルさんが立ってて。
結構ネタ合わせしたんですけど……完璧にできた?」
ナダル「完璧にできなかった……」
西野「楽しかったやろ?」
ナダル「楽しくなかった。2回目は、ホントに楽しくなかった」

文字だけだとナダルが「楽しくなかった」と、しょんぼりしているように見えるのだけど、ナダルの特徴的な声で聞くとなんだか場が和んで笑いが起きる。ズルい。その声ズルい。

ナダル「中学校の時は先輩に呼び出されて、音楽の時間に全力で歌うなと。響き渡るからと。
僕、ものすごい引き笑いでラッパみたいな音がするんですけど、高校の時はサッカー部の先輩から、そのムカつく笑い方やめろと。笑ったらグランド全部トンボかけなあかん、みたいな。だから正直、悲しい過去があったんですけど、笑いで跳ね返しました。」
西野「なんなん?(笑)」
ナダル「父親と母親は別段いい声ではないんですけど、弟が僕とホントにそっくりな声で。父親と母親が、うまいこと、こうなったんでしょう。わかんないです。声帯のことはわかんないです。」

その特徴的な声でナダルが繰り出すギャグ『やっべぇぞ』は、西野がバイトをしているカラオケ屋で生まれたそう。


西野「ギャル男の方がお客さんで来てて。メロンソーダ持っていたんですけど『メロンソーダやっべぇなおい』って言ってて、それを見て、何がヤバイんやろなって思って(笑)それをナダルさんに言わせたら面白くて」
ナダル「1000万円はやっべぇぞ1000回分です」


SURFACEさんに感謝



決勝戦に進んだ10組のなかでは、アキナとコロコロチキチキペッパーズが結成4年目で一番後輩にあたる。

西野「一番下というのは、こういう大会では関係ないと思ったんで。先輩だろうと関係なく、自分らの面白いことをやることだけで十分やと思ってたんで、それをまたあんな素晴らしい方に審査されるという。もう楽しさしかなかったですね」
ナダル「正直その、僕らが一番面白いとは思ってなくて、他にもめちゃめちゃ面白い人いっぱいおるんで。今回僕ら運とか全部あって、取れたと思います。8代目ということで、それを背負って、これからずっとネタを作っていきたいなと」

今回から審査員が5人となり、1人100点の500点満点で点数がつくようになった。
コロコロチキチキペッパーズは、ファーストステージの「妖精」468点、ファイナルステージの「卓球」が465点。どちらのステージも単独では1位ではないが、2本とも高アベレージを保ったことが優勝につながった。

西野「松本さんが1本目に95点つけてくれて『面白かったに尽きる』って、面白いって松本さんに言ってもらえるなんて信じられなかったですね。2本目が僕らはめちゃめちゃ好きなネタで、いろんな人からあれはやめときって言われたんですけど、設楽さんがすぐに95点パッとつけてくれたって浜田さんが言ってて、夢のようでした。」

ちなみに、2本目のネタ「卓球」で印象的に使われたSURFACE『さぁ』については……

西野「あれは、僕がYouTubeで『まもって守護月天』ってアニメのOPを見て、やたらさぁさぁ言う面白い曲やなってんで、使わしてもらいました。SURFACEさんに感謝ですね」

「東京でもっと活躍できそう」



現在大阪での仕事が中心のコロコロチキチキペッパーズ。優勝をきっかけに、今後は東京にも進出していきたい。

西野「今のところレギュラーは大阪のケーブルテレビだけで……」
ナダル「『やっべぇぞ、腹が減っては戦はできぬ』っていう(笑)」
西野「東京進出、むっちゃ行きたいですね」
ナダル「(眼力強めで)もっと活躍できそうなんで」
西野「ナダルさんが、今は“いい声の人”だってなってるんですけど、人間的に“やっべぇぞ“って人なんで。もうロンドンハーツでドッキリとかかけられたら。単独ライブのVTRで催眠術かけたらめっちゃかかったりとか。やばいんで!」
ナダル「僕はそんなんより世界を旅する番組とかが……」

ドッキリをかけられても、世界を旅して部族ロケになっても、あの風貌と声でやっていけそうなナダル。コント日本一をきっかけに、テレビで見る機会も増えていきそう。先月の給料は西野が6万円、ナダルが16万円と既に格差があるみたいだけど、もらった給料は相方と折半しているそうなので、仲良く頑張ってほしいです!
(井上マサキ)

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