9月9日(金)の放送では、8組の若手芸人の共同生活がスタート。

ロバートは「遊び」で引きずり込む
授業が始まり、進行役のNHK佐藤アナがロバートを呼びこむと、馬場と山本の2人しか現れない。
さらに「ある方をお招きしています」と紹介され登場したのは、“「トントコトン大脱走」「シナモンロールTV」を手がけた元関東テレビ ジェネラル総合プロデューサー 唐沢佐吉”。茶髪のズラをかぶった小太りの男はもちろんロバート秋山。「絶対限界がくる」という山本のツッコミに従い、ふわっとキャラを降りる。
ロバートの講義のテーマは「引きずり込み力」。3〜4分という短いコントでは、始まってすぐに「面白そう」と引きずり込む力、漫才でいうツカミが大事。秋山曰く、ロバートのコントは「遊び」で引きずり込むのが多いという。ホワイトボードには「邪念ゼロゲーム」「雰囲気ステラおばさん」など、秋山が考えた遊びが貼られている。
ロバート秋山「ネタを考えようとやったものじゃなくて、たまたま遊びを考えたうえに、奇跡的にネタに発展した、ネタに化けたものが多いんです」
例えば「むりやりギターソロゲーム」は、ギターソロが無い曲に口でギターソロを入れる遊び。そこからコント「シャーク関口ギターソロ教室」が生まれた。「トゥトゥトゥのリズムで会話」は、キングオブコント決勝でも披露された「トゥトゥトゥサークル」だ。
……と、ロバートの3人は簡単に言うものの、「遊び」をコントに仕上げるのは一筋縄ではいかない。秋山が演じるキャラクター、3人で作る世界観、時間内に詰めるだけ詰め込んだボケ(話をまとめる時間が無いため、オチは山本の「ムリー!」の2秒で済ます)などを経て、ロバートのコントは完成されている。「遊び」という材料をどう調理するかは、それぞれの芸人の腕次第だ。
ネタ担当と小道具担当
授業が終わり、若手芸人には「出来るだけ早く引きずり込むオリジナリティーあふれるコント」という課題が出された。明後日のネタ審査までに課題の沿った新ネタを作らねばならない。審査で最下位になった芸人はペンションから強制退去、けずられてしまう。
ネタ作りに没頭する生活が始まるなか、シーズン1と異なるのが芸人内の役割分担。シーズン1の漫才編ではネタを書く方と書かない方に分かれ、ネタができるまで暇な「書かない方」たちは揃って本栖湖に遊びに行き、「書く方」たちのひんしゅくを買うなどしていた。
今回のコント編の場合は、ネタ担当と小道具担当に役割が分かれている。マイク1本の漫才に対し、コントには衣装や小道具を揃える必要がある。ペンションの中のモノだけでは足りないので、車に乗って買い出しに行く小道具担当たち。ネタを考える相方の横で、ダンボールでツチノコを作ったりするのが和む。
もう1つ、シーズン1と異なるのが、参加者内に元々交流のある先輩後輩がいること。芸歴6年目のハナコと、芸歴3ヶ月のレイトブルーマー(共にワタナベエンターテインメント所属)。相方がセリフを覚えず動きの練習ばかりしている、というレイトブルーマー・かにの悩みをハナコ岡部が聞く。普段からよく相談に乗っており、「一番仲良く話す奴ら」とハナコ岡部はいう。ライバルでもあり、可愛い後輩でもあるのだ。
「引きずり込む」の解釈の違い
運命のネタ見せの日。審査にはロバートとインパルス板倉が参加。8組が順番にコントを披露する。
「遊び」から発想し、“怒りオヤジを操るゲーム”をコントにしたハナコが高評価。客を引きずり込もうと“小鮫の太郎”というキワモノキャラを出したマスオチョップが伸び悩む。8組を見比べると、それぞれ「引きずり込む」の解釈が異なるのがわかる。
「6位以下は接戦」と審査員が悩んだ結果、けずられたのはレイトブルーマーだった。
別れの場面では、雨のなかペンションを去ろうとするレイトブルーマーを、ハナコ岡部が追いかけて見送った。「僕らが今一番好きなコント作っている人がハナコさんなんで……」というレイトブルーマー・かにの言葉に、見送る側の岡部が泣いてしまう。「絶対最後まで残るから」と誓う岡部。がっちり握手を交わす彼らに、初回からこっちも目を潤ませてしまうのだった……。
今夜9月16日(金)22時からの『笑けずり シーズン2』第3回、講師はサンドウィッチマン。シーズン1同様、台本を貼りだしての解説が楽しみ。テーマの「っぽさ」の意味も気になるところ。今夜も誰かが、け〜ず〜ら〜れ〜る〜。
(井上マサキ)