今注目のアプリ、書籍をレビュー

1

「おんな城主直虎」48話。サラリーマン時代劇と戦国ミステリーを足したら娯楽の極致だ

2017年12月10日 09時45分 ライター情報:木俣冬
NHK 大河ドラマ「おんな城主 直虎」(作:森下佳子/毎週日曜 総合テレビ午後8時 BSプレミアム 午後6時)
12月3日(日)放送 第48回「信長、浜松に来たいってよ」 演出:福井充広
NHK大河ドラマ「おんな城主 直虎」完全版 第弐集 DVD ブルーレイ 12月20日発売

素敵な幕開け


駿河を手に入れた、チーム徳川が宴会しているときの忠次役、みのすけの踊りが、さり気なくいいノリをしている。青瓢箪的な忠次を素敵に演じているこの御仁は、ナイロン100℃の主要メンバーである一方で、音楽活動もやっていて、80年代は筋肉少女帯のメンバー(ドラムス)だったという、ユニークな経歴の持ち主。大人計画、グループ魂で演劇も音楽もやっている阿部サダヲ(家康役)に勝るとも劣らないというか、先輩格の実力派なのである。

のっけから良いものを見せてもらった48回、本質は、明智光秀(光石研)による織田信長(市川海老蔵)暗殺計画が粛々と進行しているというハードさながら、表面的には、サブタイトル「信長、浜松に来たいってよ」にふさわしい、徳川による織田接待のドタバタ劇で見せる。
歴史好きも、歴史はそんなに派も、両方楽しませてくれる。ついでに、なぜか、男たちのハダカがいっぱい出てくるサービスまで。最終回目前、テレビドラマという娯楽の名に賭けて、きちっと駆け抜けようと力が入っていることを感じる。

サラリーマン時代劇


富士を拝んだり、遠江、三河の名所を見たりしたいという信長を、必死におもてなしする家康と家臣たちの姿を見ていると、武士や町人を、サラリーマンに見立てて描いた映画が何本かヒットした、この数年の現象を重ね合わさずにはいられない。
堺雅人が幕末の経理担当を演じた「武士の家計簿」(10年)にはじまって、佐々木蔵之介が江戸時代の転勤族を演じた「超高速 参勤交代」シリーズ(14年、16年)、阿部サダヲが重税に苦しむ民衆を救うべく奮闘する商人に扮した「殿、利息でござる!」(16年)など。
“超高速”を取り入れたのは前作「真田丸」の三谷幸喜だったが、森下佳子も、サラリーマン時代劇ものの流れをうまいこと取り入れて、ドラマを親しみやすいものにしている。TBS日曜劇場が、真面目に庶民の叫びを描いていることに対して、大河ドラマは「真田丸」に続いて、喜劇のテイストを盛り込みながら庶民や戦国武将の戦いを描いている。

48話で印象的なのは、氏真(尾上松也)が、ちゃっかり織田に取り入ろうとして、美丈夫を集め相撲をとらせるとき、そこになぜか直之(矢本悠馬)が参加している場面。

ライター情報

木俣冬

『みんなの朝ドラ』5月17日発売。その他の著書『挑戦者たち トップアクターズ・ルポルタージュ』、『ケイゾク、SPEC、カイドク』など。

URL:Twitter:@kamitonami

コメント 1

  • 匿名さん 通報

    美丈夫を集めた中に、直之が、「なぜわしが」と、言いながら入ってたのは、妙にクスリとくるものがありました。嫌いじゃないです。

    3
コメントするニャ!
※絵文字使えないニャ!