「俺の彼女って本当ブス」大切な人をディスって笑いを取る男

「俺の彼女って、本当ブスなんだよ!」
最愛の人なのに、けなしてなじる。不可解な行動をする男性を見かけたことはありませんか?
当人の前で言わなくとも、男同士の飲みの席などで、「俺の嫁、本当怖くて鬼嫁なんだよ」「俺の彼女なんて、どんどん肥えていくぞ」「娘が本当にバカでさー」みたいに、恋人や家族など、大切な人を言葉で攻撃し、笑いに変え、コミュニケーションを成立させている男性に、筆者は数多遭遇してきました。

男の子というのは、幼少期には照れ隠しのために好きな子をいじめることがあるというのは、みなさん経験済かもしれません。でも“照れ隠し”を引きずったまま大人になり、身内の悪口でコミュニケーションを成立させるクセがついた男性は、大切な人を傷つけるだけでなく、周りの女性をもドン引きさせている可能性があります。


女は自分を落とし、男は身内を落として笑いを取る


女性の中では、「私ってこんなにダメな奴」と自虐を交えて笑いを取る文化があります。「私太っちゃって」とか「もー寂しすぎて土日は死んでる」とかとか。
相手に自ら弱点を見せることで、敵ではないというジェスチャーを言葉で取っているのが、自虐ギャグです。
自虐も褒められたものではありませんが、男性は女性ほど自虐ネタを話しません。
「俺、太っちゃって」くらいなら言うかもしれませんが、「俺、太っちゃって、この前スボンの尻のとこが裂けたんだよ」みたいな、本気の自虐は聞いたことがない。

その理由は、男性の根本には、「『俺は凄い』と思い続けたい」という、プライドと、防衛本能があるからです。
女同士のコミュニケーションでは、理解し合う共感性を主軸にしているのに対し、男同士は「俺が凄いかを、いかにナチュラルに(嫌味なく嫌われないよう)成立させるか」を軸にしています。そのため、自虐のかわりに加虐ギャグ(他人を虐めて笑いを取る)が頻繁に起こるのです。


身内の悪口を女は笑って済ませていない


「嫁が本当に何にもしないんだよ。本当結婚詐欺だわ」みたいな話しをしている男性の9割が、実際奥さんの前ではけっこういい夫である。これは多くの女性が暗黙の了解として理解していることです。
とはいえ、それを言う男の人を許し、歓迎しているわけではありません。

理由の1つに、男性の悪口の多くは「お前はどうなんだ?」とツッコミたくなるほど、自分を棚に上げて話していることが多いから。
でも男性からしたら、自分を凄いと証明するための悪口なので、棚にあげられるものはとことん上げて話すのは当然です。
このように目的が異なる状態で悪口を話し、聞かされるということが、「分かっちゃいるけど、嫌な話だな」と周りの女性に印象を残すのです。


なぜ加虐ギャグがモテと関係しているのか?


「身内の悪口なんて、好きな女の子の前では言わないよ」
多くの男性はそう思うでしょう。例えば婚活の場で、いいなと思った女性に「俺の家族ってホント最悪でさ〜」と悪口を言い出す男性はそういません。むしろいたら変な奴です。
でも、実はこの加虐ギャグをし続けている男性は、他人をネタに笑いを取ることがクセになっているので、婚活現場でもこんなことをしがちです。

「コイツ(隣にいる友人を指し)内気だから、話してやってよー」
なんと、その場にいた友達を犠牲にしたギャグを連発するのです。

筆者が以前見かけた例でいうと、こんなのがありました。
・男性数人でナンパしてきた男性の一人が「俺の友達がお姉さんのこと好みだって言ってたんで、声かけました」と、女性陣に声をかける
・「俺は婚活とかしないんだけど、友達が詳しいんで来ました」とあるパーティーで自己紹介する男性
・「俺の友達、本当モテないんだけど、良い奴なんだよ」と、友達を紹介する男性。

友達を想っているふりをして、自分を守り、笑いを取る。加虐ギャグがクセになっている男性は、こういった自己保身の行動を無意識にとりがちです。
しかし女性からすると、自分がいい思いをしたいのに他人を盾にしているのがまるわかりなので、「なんだコイツ!?」と男のダサさにすぐに気づき、印象は概ね悪くなります。



大切なものを大切にする勇気を持つことがモテる男の最低条件


「相手を褒めるなんて恥ずかしい」
日本人の多くが思っていることかもしれませんが、それは寡黙で真面目な日本人だからこそ根付いた価値観でもあります。その証拠に、誰だって歯の浮くような褒め言葉も、信じるかは別として、言われればそれなりに嬉しいものです。

誰かを悪く言って取るコミュニケーションは簡単ですが、そんなチキンなコミュニケーションを取る男に、女性は魅力を感じません。
『けなす笑いより、褒める勇気』
シンプルですが、モテる男の絶対条件の1つなのです。
(おおしまりえ)