今回の記事では咲坂伊緒が別冊マーガレットにて連載していた『アオハライド』のあらすじをご紹介します。
タイトル『アオハライド』はアオハル(青春)とライド(ride)を組み合わせた造語で、青春に乗っかることを意味します。
単行本の累計発行部数は1300万部突破、全国書店員が選んだおすすめコミック2012では3位にランクインしました。
2014年にはテレビアニメが放送され、2023年には実写ドラマが放送されています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『アオハライド』のあらすじ
主人公は中学生の吉岡双葉(よしおか ふたば)。ガサツでうるさい男子に苦手意識を持ち、中学校ではできるだけ目立たぬように心がけ、端っこで大人しくしていました。
そんな謙虚な性格がかえって男子に好印象を与え、秘かに人気を集めます。双葉の人気に嫉妬した女子グループは「猫をかぶってる」と彼女を敵視し、露骨に無視するように。
周囲との人間関係や距離感に悩む双葉の心の支えは、隣のクラスの田中洸(たなか こう)でした。
猿みたいな他の男子と違い、田中くんは女の子のように綺麗な顔をしており、言動に威圧感を感じさせなかったのです。
ふとしたきっかけから学校内でよく目が合うようになり、田中くんに恋していることを自覚した双葉。

やがて夏休みに突入し、田中くんと二人で夏祭りに行く約束を交わしますが、何故か彼は来ませんでした。
約束をすっぽかされた双葉は、田中くんに嫌われたと思い込んで落ち込みます。二学期初日に登校すると田中くんは転校しており、双葉は卒業まで孤立を余儀なくされました。
高校入学後、中学の失敗を繰り返すまいと誓った双葉は、男子とも物怖じせず喋り、大食いをキャラを演じる、鞄の中をぐちゃぐちゃにするなど、女子力ゼロの振る舞いを貫きます。
双葉が進学した高校には成績優秀者が学ぶ特進クラスとそれ以外の者が入る一般クラスがあり、両者は殆ど交わることがありません。
二年進級時に行われたクラス替えにて、双葉は初恋の田中くんと再会しました。
しかし田中くんの苗字は馬渕(まぶち)に変わっており、性格も嘗ての優しさはどこへやら、クール毒舌男子に変貌していました。
田中くん改め馬淵くんの両親が離婚し、一時期的に長崎に転校していた事情を知った双葉は、同じクラスになった彼に対し、胸の高鳴りを隠しきれません。
ですが馬淵くんはそっけなく、嫌われることへの恐怖心から偽りの自分を通す双葉と友人たちの掛け合いを、「友達ごっこ」と言い捨てて……。