今回の記事ではスタジオジブリが2023年に公開したアニメーション映画『君たちはどう生きるか』(宮崎駿監督)と、その関連本のあらすじをご紹介します。
本作は宣伝を一切行わないことで話題になりました。主題歌『地球儀』は米津玄師が担当しています。興行収入は74億円。宮崎駿の引退作と囁かれていますが真相は不明です。
なお原案は吉野源三郎の同名小説『君たちはどう生きるか』ですが、ストーリーや登場人物に繋がりはありません。また、本作は眞人の生い立ちなど、宮崎駿の自伝的要素が濃いと言われています。
※本稿は作品のネタバレを含みます。あらかじめご了承ください。
『君たちはどう生きるか』のあらすじ
時は太平洋戦争真っ只中、中学1年生の少年・眞人(まひと)は過去に火災で母ヒサコを失った傷を抱えていました。
眞人の父・勝一は軍需工場を経営しており、実家はお手伝いを雇えるほど裕福です。
ヒサコの死から数年後、勝一はヒサコの妹・夏子と再婚を決め、母方の故郷へ移住しました。

田舎に引っ越して早々、眞人は屋敷の近くで古い塔と、そこに住む奇妙なアオサギを目撃します。
眞人は夏子から塔を建て、その中で姿を消した大叔父の話を聞かされました。
都会育ちの眞人は転校先の学校に馴染めず、同級生からいじめを受けます。
帰り道で袋叩きにされ怪我をした眞人は、まとわり付くアオサギに腹を立て、木刀で叩きのめそうとしました。
すると突然アオサギが喋り出し、「母親が助けを待っている」とほのめかされた上、カエルと魚の群れに全身を包み込まれました。眞人の悲鳴を聞いた夏子と女中が駆け付け、なんとか事なきを得ます。
勝一の子を妊娠中の夏子は悪阻に苦しみ、眞人の顔が見たいと再三訴えるものの、眞人は死んだ母によく似た夏子を受け入れられず、見舞いの際も冷たくあしらってしまいました。
数日後、屋敷の窓から近くの森へ入っていく夏子を見かけた眞人。部屋に戻って木刀の修理をしている時、ヒサコの形見の小説『君たちはどう生きるか』が出てきて、懐かしさに涙を流しました。
優しかった母の面影を思い出した眞人は、夏子への意固地な態度を反省するものの、彼女は夜になっても帰ってきません。
夏子を探しに森に行った眞人は、アオサギの声に導かれるがまま塔に入り、異世界に飛ばされてしまいました。
眞人が迷い込んだ異世界は「下の世界」と呼ばれており、言葉を喋る凶暴なペリカンや、使用人のキリコにそっくりな船乗りが出迎えます。
眞人は無事に夏子を連れ戻し、親子関係を修復できるのでしょうか?