よく、ありますよね。「初めてこれを食べた人は、勇気があるよなぁ」みたいな会話が。
「タコやナマコを初めて食べた人は凄い!」みたいな、そんなくだり。
まぁ我々は美味しいのを知ってるから、それらは余裕で食べられるんですけどね。これは、アレです。余談です。

でも、どうでしょう。ここに来て、“今まで見たことのない食べ物”に出会うことはないと思いません? ……油断してました。
出会ってしまったんです。
オイシックスが5月より発表した野菜やフルーツ、目新しいもので目白押しだったんです。いやはや、21世紀に来てそんな出会いに遭遇するだなんて。

馴染みのない食べ物がいくつかある、同社の今季商品たち。今回はその中から、厳選した3食品をご紹介しましょうか。
まずは、『おかひじき』(税別290円)について。
これは、海岸の砂地に自生する1年草。葉っぱの形が海草のヒジキに似ていることから、この名称で呼ばれているらしく。……皆さん、この野菜のこと知っていました? 実は日本では古くから食べられている伝統野菜の一つだそうですよ。
「この野菜には、βカロチンが豊富です。また塩分を排出する役割があるカリウムを初め、カルシウム、マグネシウム、リン、鉄分などミネラルも豊富です」(オイシックス・担当者)

これ、ちょっと食べてみたいなぁ。……ってなわけで、実際に取り寄せてみました。
見たこともなかった野菜を、今初めて口にします!
ところで、どうやって調理しようかな? いや、どのやり方でも美味らしいんですよ。どんな料理にも合う“クセの無さ”が特徴の『おかひじき』。例えば少し塩を入れたお湯で20~30秒ゆがき、流水で冷まし、サラダやおひたし、和え物にするのもお勧めとのこと。
「豚肉と一緒に炒めてのお召し上がり方は、バイヤーお勧めの食べ方の1つです」(担当者)
じゃあ、それにしましょうか!

まずは流水でサッと洗い、奮発した分厚い豚肉一枚と共に『おかひじき』をフライパンに投入します。するとその刹那、美味しそうなサウンドが耳に飛び込んできた! そこに塩コショウを振りかけ、良さそうな焼き加減のタイミングで皿に盛りつけます。ここからは私の好みで、お醤油でいただいちゃいます。
……あぁ、美味い! いや、言うまでもなくお肉は美味しい。そして、それを際立たせる『おかひじき』がシブいのです。ただの付け合せで終わらず、絶妙なアクセントの役割を担っている。そのシャキシャキ食感が、私の幸福度を倍増させている。それでいて、豚肉本来の魅力を阻むことは決してなく。
「栄養価も高くクセもないので、子どもでも食べることができます」(担当者)
調理法も至極簡単だし、満足! ……こんな良いもの、何でなかなか見掛けないんでしょうね?
「山形を初め、東北地方を中心に食べられていた伝統野菜が『おかひじき』です。
食べ方のバリエーションがあまり知られていないことも、認知度の低い理由として考えられます」(担当者)
春以降、これからのシーズンに美味しい野菜だそうです。

続いては、『ピクシータンジェリン』(6個:税別400円)なるフルーツについて。こちらは、ちょっと小ぶりなみかんと言ったところでしょうか。しかし一度口に入れると、驚きが訪れるらしい。何しろ、糖度は18度。
では、これも実際に食べてみたいと思います。
……うおっ、目の覚めるような甘さ! みかんを食べてると、数分の一の確率で甘いみかんに当たるじゃないですか。それより、もっと甘い。しかも、それが百発百中で体験できるんです。
「日本ではまだ珍しく、購入できる場所が限られていますが、オイシックスでは毎年この季節を楽しみに待たれているお客様がいる人気のフルーツです」(担当者)
アメリカでの知名度は高いものの収量は多くなく、日本に入っている量も少ないので、我々が見掛ける機会はあまりない。しかし、一度味わうとヤミツキに。なるほど、楽しみにしている人が多いのも頷けます。
「たくさん採れるのは3~5月。そろそろ、終盤に近づいてきています」(担当者)
サイズが小ぶりだから、次々に何個も食べたくなっちゃいます。

最後にご紹介するのは、その名も『ハンダマ』(税別330円)。これは沖縄と九州の一部で流通している地域の伝統野菜で、特に沖縄では古くから「血の葉・不老長寿の葉」と言われているとのこと。
「沖縄では産後の体力回復や 滋養をつける野菜と重宝されていました。鉄分を多く含むため、『血の葉』と呼ばれているそうです」(担当者)
しかし現在では、沖縄県内の若者の間で認知度が薄れてきている。要するに、知る人ぞ知る野菜であります。
よし。こちら、またしてもいただいちゃいましょう! ……でも、不安がないわけではない。だって体に良い食べ物って、味にクセのあるものが多いじゃないですか。『ハンダマ』は、どうなんでしょうかね?
「生で食べるとシャキシャキとした食感、加熱するとヌルヌルとした独特の粘りが出るのが特徴です。味に関しては『苦味がある』、『クセがある』という方もいますが、特に気にならないという方もいらっしゃいます」(担当者)
なるほど、その辺は自身の舌で判断しかないな。調理法は「茹でてから塩と胡麻油であえるナムルがお勧め」とのことなので、それに則って。
というわけで、出来上がりました! 茹で時間は30秒あればよいので、調理時間は正味1分ほど。では恐る恐る、いただきます。……あぁ、美味しいね。確かに苦味はあるものの、それほど強烈ではないし。というか、その苦味が良い。それに胡麻油と塩で味付けしたら、それだけで野菜って魅力的になるじゃないですか。
「『ハンダマ』もたくさん取れる時期は3~5月ですので、そろそろ終盤に近づいています」(担当者)
この沖縄生まれの薬草を食べたいのなら、待ったなしの状況です。

そんなこんなで、心の底からオススメできる野菜・フルーツばかりでした。何しろ今この時だって、『ピクシータンジェリン』を食べながら記事執筆に取り組んでいるし。もう、ヤミツキ。止まりません。
(寺西ジャジューカ)