子どもの頃、私の枕元にはいつも「モンチッチ」があった。愛嬌たっぷりの笑顔で指をくわえていたモンチッチ。
1974年1月26日に誕生し来年は誕生40周年。各地で記念イベントが行われているので、私もモンチッチに会いに行ってきた。

~モンチッチ今昔物語~

株式会社セキグチが販売するモンチッチ。1972年発売の「くたくたモンキー」というぬいぐるみと、1973年発売の「マドモアゼルジェジェ」というおしゃぶり人形からヒントを得て生まれた商品だ。体はぬいぐるみ、顔と手足はソフトビニールの人形で、当時は「全く新しい人形」と言われ、発売当初は爆発的ブームを起こした。そういや、顔がビニールだったから、なぜか私はモンチッチのほっぺたを何度も赤ペンで塗りつぶしていた……という懐かしい思い出が蘇える。


同社営業本部の幡野さんによると、現在は25カ国以上で発売しており、特に中国や香港、ドイツやフランスでの人気が高いという。現在の販売累計数は7,000万個を突破。日本だけではなく世界で愛されるキャラクターに成長している。また、日本のモンチッチの認知度調査(2012年のキャラクターデータバンク調べ)では、20歳~39歳では100%、13歳~19歳では94%と、大人から子供まで幅広い世代に認知されている。

現在は既存のキャラクターイメージを守りながら、人気アニメ「銀河鉄道999」や「ガチャピン&ムック」、「オズの魔法使い」などともコラボレーションをしている。最近人気の商品はタワーレコードとコラボし、イエローヘアーが特徴の「タワチッチ」だそうだ。


また、女子高生と共同開発を行い、彼女らがリアルに「かわいい」と感じる商品を展開している。モンチッチは昔ながらの懐かしさと、現代の若者が求める新しさを合わせもつのが特徴だ。

~いざ、大阪のモンチッチカフェへ~

40周年の記念イベント第一弾は、9月に渋谷で行われた「モンチッチカフェ」だが、11月15日から大阪でも期間限定(11月30日まで)で始まった。渋谷店同様、大阪店も行列。「40周年というタイミングで、さらにモンチッチを知っていただくためには、まず見て触れてもらえる空間が必要だと思い、カフェをオープンさせていただきました」(幡野さん)。

店内は、約200体のモンチッチのぬいぐるみや写真などが装飾されている。
数人に話を聞くと、子どもの頃、おばあちゃんに買ってもらってモンチッチが好きになり、結婚式にはモンチッチのウェディングセットをテーブルに並べたという姉妹、祖母・母・子の3世代にわたりモンチッチが好きでわざわざ四国からやってきたという親子もいた。他にも「赤ちゃんに似てて可愛い」「モンチッチを寝かせるのが楽しみだった」「ファーストモンチッチは、もう毛がガチガチになっている」など、ファン同士の話はエンドレス。

限定コラボメニューは、ハヤシライスにパフェ、パンケーキなどがあり、大阪店オリジナル。さて、期間限定のモンチッチカフェは2014年1月には京都、その後は名古屋、福岡などでも開催予定。そして、40周年企画は来年末まで展開するそうなので、モンチッチファンは要チェック!

「お母様からお子様へと世代を超えて、モンチッチを可愛がっていただいているというお声をいただきます。一人ひとりにモンチッチとのストーリーがあり、少しでも夢や癒しを与えられる存在になって欲しいと思います」(幡野さん)。
等身大のモンチッチって可愛いんだろうか……と半信半疑だったが、実際は指をくわえる仕草に顔がほころび、写真を連写してしまった。今度、実家に帰ってほっぺの赤いモンチッチ探してみよう。
(山下敦子)