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『奇子』おっぱいと狂気と陰鬱が満載


『奇子』は、手塚治虫版「犬神家の一族」
土蔵に閉じ込められた少女奇子の一生を軸に、戦後の大地主の一族が没落していく様子を描く。

因襲。陰鬱。下山事件。権力闘争。土蔵。殺人。
財産争い。
まあ、奇子がそもそも父と兄嫁の子だし、弟とも寢るし、兄を誘惑するし、ドロドロの近親相姦まみれ。
おっぱいと狂気と陰鬱が満載の超ダーク手塚作品だ。
『奇子』『奇子2』『奇子3』全3巻。
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『紙の砦』戦争と漫画と人生と


『紙の砦』は、手塚治虫自身をモデルとした短編作品を集めた一冊。
表題作「紙の砦」の舞台は、昭和十九年。
出版統制令で、マンガなんて出せなかった時代だ。

空襲警報が鳴って、防空壕にみんなが逃げ込むなか、「あと一ページかいてから」とペンを走らせる大寒鉄郎(手塚治虫をモデルにした主人公)。
「戦争が終わったら自由にマンガかけるようになるだろうね ぼくはマンガ家になるよ!」
マンガへの想いと戦争を描いた短編だ。

「がちゃぼい一代記」では、マンガを批難されるシーンが出てくる。
「かわいいこどものために悪いマンガ家をこの世からマッ殺しましょう」
お偉いさんから黒人描写を批難される。
くじけたりもする。
だが、手塚はマンガを描き続けた

マンガを描きたくて描きたくてしょうがなかったのだ。
その情熱が、溢れ出ている短編集。
「がちゃぼい一代記」「紙の砦」「すきっ腹のブルース」「トキワ荘物語」「という手紙がきた」「動物つれづれ草」「どついたれ」を収録。
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『日本発狂』オカルト・ダークファンタジーかつラブストーリー


タイトルのインパクトが半端ない『日本発狂』
内容も半端ない破天荒さ。
半透明の幽霊軍団が大行進。

部屋に転がり込んでくる美少女。
知り合った週刊誌記者の突然死。
降霊。黒服男。自動筆記。UFO。

と、怒涛のオカルト展開であり、ラブストーリーでもある。

どこに連れて行かれるのか目眩する展開に呑みまれていくと、切ないラブストーリーになり、「日本発狂」なエンディングへ。
後半は、手塚作品の中でも屈指の壮大なビジョンを見せてくれる。
『火の鳥』クラスの壮大さであり、こちらのほうが身近な学生が主人公ではじまってるぶんショックは大きい。
しかも、いま日本が抱えている「移民受け入れ」問題と直結していくのだ。
1巻で完結していてイッキ読みに最適


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電子書籍総合情報サイト「アオシマ書店」で、もう少し詳しくそれぞれの作品を紹介しています。こちらもよろしく。(米光一成