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高校野球 47都道府県の注目選手
宮崎編
新型コロナウイルスの影響により毎年夏に甲子園で開催される「全国高等学校野球選手権大会」が中止となり、その代わりに、各都道府県は独自の代替大会を行なうことを決めた。宮崎も7月11日から「宮崎県高等学校野球大会2020」が開幕。
昨年夏の甲子園に初出場した富島は、今年も坂本龍太郎など逸材が揃う
昨年のMRT招待試合で、一躍注目されたピッチャーがいた。都城東の有馬太玖登(たくと)だ。175センチ、80キロのどっしりした体格から力強いストレートが武器の本格派右腕。「どんなに(ストレートを)張られても、力で押すのが自分の形」と言い切るほど自信を持っている。
この招待試合で、明石商(兵庫)の強力打線相手に140キロを超すストレートを連発。
宮崎シニア出身で中学3年時には全国舞台を経験。従兄弟には福岡ソフトバンクでプレーした有馬翔(2008年ドラフト4位)がいる。高校入学後は1学年先輩の武藤敦貴(楽天)を追いかけるように成長を続け、県内屈指の投手へと上り詰めた。
ブレイクが期待されたが、コロナ禍の影響により予定されていた大会、練習試合が相次いでキャンセルとなり、思うようにアピールできないまま最後の夏を迎えた。
練習が再開されてまもない5月末には、紅白戦で141キロをマーク。
この有馬と2枚看板を形成する和田颯斗(はやと)は180センチ、88キロの大型右腕。長身を生かした角度あるボールが武器で、最速は141キロ。また2年生右腕の長尾一輝も急成長を遂げており、さらなる飛躍が期待される。
今年の九州は、「捕手の当たり年」と言えるほど注目キャッチャーが多数存在するが、なかでも大豊作なのが宮崎だ。
まずは富島の大型捕手・坂本龍太郎。
二塁送球1.8秒台のタイムもさることながら、正確なコントロール、一直線に伸びていく軌道は一見の価値あり。あるスカウトは「投手としての可能性を感じる。打者の手元に向かって伸びていく球質は、本職の投手でもなかなか持ちあわせていない」と評価するほど。
「打てる捕手」なら、日向学院の曽我幸大が筆頭格だ。
2年生捕手なら宮崎日大の大山和泉。視野の広さを生かし、多彩な投手陣を巧みにリードする。
延岡学園の正捕手・吉村諒人も注目のひとり。
延岡学園は吉村だけでなく、好素材の選手が揃う。投手は、140キロ台中盤のストレートが武器の本格派右腕・興梠奨英(こうろぎ・しょうえい)、ゲームメイクに定評がある2年生左腕の須藤綺梨(きり)、縦横2種類のスライダーを自在に操る2年生右腕の市原大輔とバラエティに富む。
野手も、河野哲大、押川雄太郎の中軸は一発を秘める強打者で、吉村を加えたクリーンアップは県内屈指の破壊力を持つ。
日南学園の辰嶋優は183センチ、77キロの大型左腕で、最速は135キロだが打者の手元で加速するストレートは威力十分。昨年秋に疲労骨折した腰の具合がどこまで回復しているか気になるところだが、万全の状態で最後の夏を戦ってほしい。
日南学園の野手では、193センチの台湾からの留学生・林冠臣と180センチの岩切光輝のふたりにも注目が集まる。林は長打力に加え、俊足も魅力。岩切は勝負強さと確実性を兼ね備えた強打者だ。
ほかにも、小林西の照喜名洸希(てるきな・こうき)、都城商の岡原大晟、都城の山脇颯真の3人もストレートが魅力の本格派右腕だ。