消防士ダンスユニット「火消しGENJI」、独占インタビュー
これが「火消しGENJI」だ! 中央の女性は「函館ダンスアカデミー」主宰の島崎啓子さん。メンバーは左から北森浩一郎会長、本田周平監督、笹谷健治キャプテン、後藤善久さん。
先日、函館新聞のサイトで『火消しGENJI発表会に出演』というニュースを目にした。
函館市の消防士やOBでつくるダンスユニットが函館ダンスアカデミーの発表会に出演するという記事だが、なぜいま、そのネーミングなのか。
自分なんかはモロ「光GENJI」世代ではあるけれど、30歳すぎくらいの人たちが昔を懐かしんでやっているのか……と少しかなしい思いで記事を読み進めると、構成メンバーは意外にもおじさんたちだという。62歳の「会長」をはじめ、51歳の「監督」、一人だけ若い28歳の「キャプテン」、そしてもうひとり56歳の方を交えた4人組。
けっこうなおじさまがたがまじめにダンスしているかと思うと、にわかにステキに思えてくるから不思議である。

火消しGENJIの監督・本田周平さんに電話取材をすると、いきさつなどについて教えてくれた。

「結成は平成元年。いま17年目なんですよ」
17年目! あえて最近つけた名前じゃなく、光GENJIが現役だったころからあったわけなんですね。

「もともとは、消防職員が30歳くらいになって、体力が落ちてきたので、エアロビクスをしようということになって」
エアロビクス!? 素っ頓狂な声で聞き返した私に、彼は静かに説明した。
「当時、西武ライオンズの選手がキャンプでエアロビクスをやっているというのをテレビでみて、『体力づくりにはこれがいい!』と思ったんですよ」

当時は、エアロビが流行り始めた頃、ほとんどは女性ばかりがやっていた状況で、珍しさもあってか、平成3年の「全日本エアロビクスコンテスト北海道大会」には、ゲストとして登場したこともあったという。

ところで、気になるユニット名は誰が考えたのか?
「ちょうど娘が光GENJIのかーくんファンだったので、当時それにあやかって、また、消防団だから火消しということで『火消しGENJI』にしたんですよ。語呂がよくて覚えやすいと、評判はいいですよ(笑)」
と本田さん。

おじさんたちが、どんなかっこうでダンスしてるのかも気になるところだが、「最初はピチッとした全身タイツのようなかっこうで。そのときによって衣装をかえますが、平成14年にはダボッとしたヒップホップ調のユニフォームを着たりしました」とのこと。

火消しGENJIの発表会は19日。今年は2部のダンスミュージカル『仮面舞踏会』に出演するという。どうせなら、ユニット名を今度は、「少年隊」風にしちゃえばいいのに……なんて、余計なお世話ですね。

本番を目前に、本田さんに意気込みを聞いた。
「普段の生活から、役作りに励んでいるよ。ロミオとジュリエットをやるんですが、町の名士や家長などを演じるので、中世のエラそうな雰囲気を出すために、できるだけ普段からエバッています(笑)」
微笑ましいです。

(田幸和歌子)