
その暁には、日本干物協会的な場所から表彰されてもいいとぐらい思っています。
実験方法は簡単。身近にある干物を一晩水につけておくだけ。一晩つけても戻らないようなら、それは戻らない物と考えても良いと思う。つけてみたのは、「スルメ」「ビーフジャーキー」「干しぶどう」の3つ。この3つに関しては水に戻すと言う概念が存在しないはずなので、どれかひとつが成功しただけでも新発見という事でよろしくお願いしたい。ちなみに水はミネラルウォーターを使用し最高級の仕上がりを想定しております。
という事で、一晩後はどうなっていたのか結果発表。まずは「スルメ」。
急にテンションが下がったところで「ビーフジャーキー」。これは、スルメ同様、肉に戻っていてほしい。焼肉で出てくるような肉にね。開けた瞬間、恐ろしい結末が待っていた。変化なし。少し柔らかくなっているだけ。
最後は、期待の「干しぶどう」。これはもう、バリバリのブドウに戻っていてほしい。皺の一本もなくプルンプルンのブドウに。
少しハードルを上げすぎた、本当は皮から実を出せるぐらいで満足です。見てみると、少しぷっくらしている感じがする。もはや気のせいかも知れないが、実を出すことに挑戦! すると……? 出ましたよ、グニョっと。実が出たというか皮がずれたというか、ものすごい指の圧力で擦り切れたブドウの実(?)が顔を出しました。よし、戻った。
なんとも強引な成功が待っていた今回の実験でしたが、何もなしという結果が許されない現状を深読みしていただくと幸いです。
冷静に見つめなおすと、干物は干物でしかなく、干された物が元に戻ろうという発想自体がおこがましい他ならない願いなのです。一度、干されたら元に戻れない! 人間界も同じですよね。仕事で干されたくないものです。どうしよう〜……。
(木南広明)