イイとこどり!?  「餅のどら焼き」の食感は?
薄い皮には餅が練りこまれ、もっちりしっとり。赤ちゃんの肌のようです。
「お餅もいいけど、どら焼きもね!」な気分のとき、その両方の欲求を1個で満たしてくれるお菓子がある。

都内の有名和菓子屋・ふるや古賀音庵の「餅のどら焼き」だ。

この名前を聞くと「単に、餡に餅が入ったどら焼きでしょ?」または、「どら焼き形の餡餅でしょ?」と思う人もいるかと思うが、これはそんな欲張りチックな菓子とはわけが違う。

食べてみると、薄くもっちりした皮の食感、上品さに驚かされる。生地に触れると、手に吸い付くようなしっとり感がある。
餡に餅が直接入っているのではなく、生地に餅が練りこまれることで、餅とどら焼きが水面下で静かに手を結んだ食感なのだ。

この商品が登場したのは、2000年4月。渋谷の東急百貨店東横店の地下食品街「東急foodshow」のグランドオープンにあわせ、創作和菓子ブランド「創り人英喜」の商品として販売開始されたのだという。

独特のもっちりした皮は、「どら焼きの生地に餅粉を練りこみ、山芋をつなぎとして使用した」というもの。

きっかけについて担当者は、
「ういろうは餅粉をベースに小麦粉を入れコシの切れた食感を生み出していましたが、逆に小麦粉ベースのどら焼きは餅粉を入れるとどうなるのか? という疑問から試行錯誤をして生み出しました」と言う。

餅とどら焼きのイイとこどり? いや、違う。餅でもなく、どら焼きでもない、独特の新食感「餅のどら焼き」。
東急東横店・銀座三越店・幡ヶ谷本店の3店で販売してます。
(田幸和歌子)