なんのことだか、ちょっと説明。
渋谷公園通りを歩いていて、ある変化に気づいた。「あれ、ここ確かルノアールだったよな?」
喫茶室ルノアール。首都圏ではおなじみの喫茶チェーン。フカフカのソファや落ち着いた雰囲気で、取材や商談などのお供としての利用客も結構多い。飲み物メニューに、コーヒーや紅茶のほかに「こぶ茶」もあったり。
それが、「cafe Miyama(カフェ・ミヤマ)」というオレンジ色の看板に変わっているではないか。でもそのときは、「へえ、ここのルノアール、違う店になったんだ」程度の印象。
そしたら、今度はセンター街でも、確かに以前は白黒看板のルノアールだったはずの店が、同じように「ミヤマ」というオレンジ色の店になっているではないか。後日また、新宿でも中野でも、同様の現象が。
ルノアール、どんどんミヤマに変わっているのである。
というのが、オレ的な「ルノミヤ現象」。
で、本当に喫茶室ルノアールは、どんどんカフェ・ミヤマになっているのか。いつか全部「ルノ」の白黒は、みんなオレンジ色に染められてしまうのか。そもそも「ミヤマ」は、何者なのか。
まとめて聞いてみた。
「ミヤマは、20代半ばぐらいの女性を主なターゲットとしているんです」
と、喫茶室ルノアールを展開する、銀座ルノアールの鋤柄さんが答えてくれた。カフェ・ミヤマとは、約3年前から銀座ルノアールが手がける別業態のカフェのことで、母体は同じなのである。
「ルノアールは、40歳ぐらいの男性が中心なのですが、ミヤマでは、こじんまりと落ち着いた、柔らかな雰囲気で若い女性客に好まれるような感じを目指しています」
銀座ルノアールでは、他にも「ニューヨーカーズカフェ」という、いわゆる「シアトルスタイル」のカフェも展開中。要は、細分化なのだ。
ミヤマは現在都内に9店舗だが、その「若い女性」の利用が多いと思われる、渋谷や新宿などターミナル駅中心の出店になっているとのこと。
出店にあたっては、新規の場合もあれば、既存のルノアールだった店舗を使用する場合もある。「あっちのルノもこっちのルノも」と思ったのは、そのせいか。
ところで、いずれみんなルノアールはミヤマかニューヨーカーズになっちゃうのですか、それが時代の流れですか、ということが気になったが、それはないとのことで、ちょっとホッ。
(太田サトル)