
阿部寛の顔を○△□でとらえ、描いてみた。自分にしては、珍しく堂々とした絵!
書店の子どもコーナーで、「売れてます!」とポップが掲げられた「1日10分でえがじょうずにかけるほん」(講談社)を見つけた。
3歳〜6歳対象の本だが、自己啓発チックなタイトルと、「じょうずにかく」というフレーズには、「子どもの独創性を奪う」とか「画一的な教育」みたいなイメージを受ける人もいるかもしれない。
だが、中身を見たら、これが全然違っていた。
作者・あきやまかぜさぶろう氏のことばによると、きっかけは、自分の子どもが5歳のときに描いた母の日の絵が、一本の線だったこと。
「そのとき形が描けないのだなーと思い、どうしたら形をわかりやすく、とらえることができるのかと考えた」、つまり、形をすべて○△□に分解すれば、かんたんに形をとらえられるのでは? という理論である。
これにはちょっと唸った。
私自身、絵が不得手で、何を描いても細い線のものがない絵になってしまうのだが、これは頭の中で「かたち」をとらえられていないためではないか。
たとえば、本書によると「くじら」は、
「1. まるいやまをかく。2. おびれはさんかくにかく。3. めとくちと しおふきをかく。4. いろはすきないろでぬってね。なみもかいてね」と、ちっとも強制していないのに、わかりやすい。
このように、もののかたちをシンプルに○△□の組み合わせでとらえられたら、もっと大胆に、もっと自分なりに、いきいきした絵を描けるのではないだろうか。そう思い、この方法に従って、私も早速やってみることにした。
題材は、やっぱり人の顔。テレビ雑誌に出ていた『結婚できない男』主演の、阿部寛にしてみよう。
「1. 顔を下がとがった四角で描く。2. 鼻を三角でかく。3. 鼻の下と口を、上がとがった四角でかく。4. 鼻の下に点々をたくさんかく。5. あごに半分のまるをかき、真ん中に線をひく。6. あごの中にも点々をたくさんかく。7. 頭にはぎざぎざをかく。8. 耳をかく。9. 目は、下が平らになった丸を2つかき、中に黒丸をかく。10、目の横に線を2本ずつかく。
どうです!? 決して「似てる!」と威張れるものではないが、なんとなく特徴をとらえていて、何より堂々とした絵になったではないか。
やっぱり絵を描くために大切なのは、思いきりなのかもしれない。
『「ぷっ」すま』の絵心バトルのときの草なぎ画伯のように、独特のフィルターがかかったモノのとらえ方ができる人は素敵だけれど、絵に自信のない人は、まずはこの「○△□でかたちをとらえる方法」、実践してみては?
(田幸和歌子)
3歳〜6歳対象の本だが、自己啓発チックなタイトルと、「じょうずにかく」というフレーズには、「子どもの独創性を奪う」とか「画一的な教育」みたいなイメージを受ける人もいるかもしれない。
だが、中身を見たら、これが全然違っていた。
作者・あきやまかぜさぶろう氏のことばによると、きっかけは、自分の子どもが5歳のときに描いた母の日の絵が、一本の線だったこと。
「そのとき形が描けないのだなーと思い、どうしたら形をわかりやすく、とらえることができるのかと考えた」、つまり、形をすべて○△□に分解すれば、かんたんに形をとらえられるのでは? という理論である。
これにはちょっと唸った。
私自身、絵が不得手で、何を描いても細い線のものがない絵になってしまうのだが、これは頭の中で「かたち」をとらえられていないためではないか。
たとえば、本書によると「くじら」は、
「1. まるいやまをかく。2. おびれはさんかくにかく。3. めとくちと しおふきをかく。4. いろはすきないろでぬってね。なみもかいてね」と、ちっとも強制していないのに、わかりやすい。
このように、もののかたちをシンプルに○△□の組み合わせでとらえられたら、もっと大胆に、もっと自分なりに、いきいきした絵を描けるのではないだろうか。そう思い、この方法に従って、私も早速やってみることにした。
題材は、やっぱり人の顔。テレビ雑誌に出ていた『結婚できない男』主演の、阿部寛にしてみよう。
「1. 顔を下がとがった四角で描く。2. 鼻を三角でかく。3. 鼻の下と口を、上がとがった四角でかく。4. 鼻の下に点々をたくさんかく。5. あごに半分のまるをかき、真ん中に線をひく。6. あごの中にも点々をたくさんかく。7. 頭にはぎざぎざをかく。8. 耳をかく。9. 目は、下が平らになった丸を2つかき、中に黒丸をかく。10、目の横に線を2本ずつかく。
11. まゆげは、太く黒い三角を2つかく」
どうです!? 決して「似てる!」と威張れるものではないが、なんとなく特徴をとらえていて、何より堂々とした絵になったではないか。
やっぱり絵を描くために大切なのは、思いきりなのかもしれない。
『「ぷっ」すま』の絵心バトルのときの草なぎ画伯のように、独特のフィルターがかかったモノのとらえ方ができる人は素敵だけれど、絵に自信のない人は、まずはこの「○△□でかたちをとらえる方法」、実践してみては?
(田幸和歌子)
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