あなたも寺山修司になれる!? 寺山お面
(写真上)「ジャパン・アヴァンギャルドーアングラ演劇傑作ポスター展」の告知ポスター。<br>(下)実際につけてみると、ものすごくリアル! 友人につけさせてみたところ、本当に寺山修司さんと一緒にいるかのようだった
今年で生誕70年を迎えるという寺山修司。「天井桟敷」なる劇団を主宰し、『書を捨てよ、町へ出よう』『家出のすすめ』など多くの著書を残し、アニメ版『明日のジョー』の「♪サンドバッグに 浮かんで消える〜」「♪叩け!叩け!叩け〜」というあのテーマソングの作詞等でも知られる60〜70年代の若者のカリスマだ。

最近、書店でも生誕70年を記念して「寺山フェア」が開催されてるのをよく見かけるが、今だに寺山修司は若者に支持されているんだなぁ〜とその根強い人気には驚いてしまう。

ところで先日、大阪の某書店で本と一緒になんと「寺山お面」が売られているのを発見。あのシャイな独特の笑みを浮かべる寺山の顔面がゴムつきお面になっていたのです!!
これはいったい、誰がどんな目的で企画したものなのだろうか? 興味をもった私は、お面を企画制作された株式会社ポスターハリス・カンパニー代表の笹目浩之さんにお話を伺ってみた。笹目さんは寺山修司が亡くなる直前から「天井桟敷」に出入りしていたそうで、現在は天井桟敷をはじめとする1960年代以降の舞台芸術系のポスターを収集・保存・公開し、各界の研究や演劇の活性化に尽力するほか、寺山グッズの企画なども行っているそう。

この「寺山お面」は、1998年に日本文化デザイン会議の企画で、青森にて“1日だけの天井桟敷”という市外演劇イベントを行ったときにつくったものだという。コンセプトは「増殖する寺山修司」(!)ということで、来場したお客さんに青森市内の地図とこのお面をわたし、お面をつけた状態で野外の演劇スポットを巡ってもらおうという斬新な趣向。

青森市内を、たくさんの寺山修司たちが地図を片手にうろうろしている様子はちょっと壮観だったそうですよ!(笑)。翌99年から一般向けに商品化したそうだが、わりと人気があってすでに1,000部くらいは売れているそうだ。増刷もしたそうなので、今後ますます全国に寺山修司が増殖していくことでしょう!? 今でもこのお面はインターネットで販売されているそうなので、自分もテラヤマになりたい! という方はリンクからぜひ(天井桟敷新聞つきで、お値段は500円)。

なお、年末までに予定されている寺山修司関連の展覧会は下記の通り。もちろん、このお面も販売されるそうなので、お近くの方は今なお疾走を続ける寺山ワールドにぜひふれてみてくださいまし。
(野崎 泉)

<寺山修司生誕70年記念イベント>
■ジャパン・アヴァンギャルドーアングラ演劇傑作ポスター展
会期:2006年11月9日(木)-12月3日(日)
   10:00-20:00 11月21日(火)休館日
会場:三菱地所アルティアム(イムズ8F)

■KAVC映像企画展 寺山修司+森山大道『あゝ、荒野』展
会期:2006年12月1日(金)-17日(日)  *火曜休館
   11:00〜19:00 初日は19:00〜、最終日は17:00に閉場
会場:神戸アートビレッジセンター 1F KAVCギャラリー