「ドンペリ」って、なんで高いんですか?
6歳の娘やその友人に「好きなグラス使っていいよ」と言うと、きまってワイングラスを出してくる子がいます。これも「ドンペリ」と似たような発想なのか。
先日、成人式を迎えた井上真央ちゃんが、成人になったらやってみたかった&実現したこととして、「お酒を飲むこと」と言い、「ドラマなどでよく見るドンペリを飲んだ」とテレビで語っていた。

自分なんぞは、もう10年以上前に成人してるけど、「ドンペリ」なんて飲んだこと1度もない。

それどころか、マンガやドラマの影響で「高級クラブかホストクラブで飲むもの」、さらには「ホストクラブとかでグラスのタワーに流すもの」といった、飲み物ですらないイメージまで持ってしまっている。

でも、そもそもドンペリって、なんでそんなに高いのか? もしかして高級クラブやホストクラブでキレイなママやおにいちゃんらに注いでもらうから高いのであって、本当はそこまでの値段ではなく、実はフツウに酒屋で一般人も買えたりしない?

六本木のカラオケバーを経営する友人に聞いてみると……。
「ドンペリがなぜ高いかっていうのは、『ベンツがなぜ高いのか』みたいなもんですよ」
つまり、仕入れの原価が高いからということだった。では、なぜ仕入れ値が高いかと言うと、
「『シャンパンの王様』という言い方があるように、もともとは上流階級の人が好んで飲んだから、どんどんプレミアがついて、値段が上がっていったんです」
とのこと。だが、一般の人でも酒屋で買うことは可能らしい。
「酒屋で購入すると、白で2万円弱。
ドンペリは値段が変動しやすく、1〜2年前は、1万円前後だったんですが、近年は高くなってきてますね」

特別なイメージのあるドンペリだが、実はある程度の店ならどこでも置いているものだそうだ。店で飲むとどのぐらいするの?
「うちの店では白のボトルが1本4万円、ピンクが8万円。でも、ホストクラブや女性向けの高級クラブでは、ピンク1本10万円を超えますね」

マンガでは、ピンクを入れると店内が大いに盛り上がる描写がよくあるが、実は「その上」もあるそうだ。
「ピンクの上には、なかなか出回ってないから、酒屋もなかなか手に入らない『ゴールド』『プラチナ』があって、噂ではさらに上に『ブラックラベル』というのもあるらしいですよ。これらはみんなラベルの色で呼ぶ名前で、僕も飲んだことがあるのはプラチナまでだけど、高級クラブでは1本数十万円もするんです」
他にも、20万〜30万円の、ピンクのマグナムボトルというのもあるそうだ。なんかクレジットカードのランクみたい……。


それにしても、そんなに高いお酒、やっぱり格別にうまいのですか。
「正直、この業界で働いてる人間は、みんなドンペリ嫌いですよ。酸味が強くて、飲みにくいから。個人的には、シャンメリーのほうが美味しいと思う(笑)」

それでも、誕生日や何かの1周年記念など、祝いごとのときにけっこう出るというドンペリ。仕入れ値の高さに加え、一種のステータスとして、憧れのお酒になっているようです。
(田幸和歌子)