殺虫成分ゼロ! マイナス40度で虫を氷殺
(写真上から)<br>『バルサン 飛ぶ虫氷殺ジェット』と『バルサン 這う虫氷殺ジェット』。<br>白い霧、冷却成分がカメムシを捉える。<br>あっという間にカメムシが凍り始めピタッと動かなくなる。<br>カメムシはカチンコチン。凍死状態に。<br>白くなっているのは氷でしばらくすると融けてしまいます
暖冬だった今年はあっという間に春がやってきそう。
草木も芽吹いて桜が咲いて、と楽しい気分になるけれど、一方で困りものの不快な害虫たちも動き出す季節。

そんなこの時期、殺虫成分を一切使わずに「マイナス40度の強力冷却」で瞬時に不快害虫を退治する驚きの殺虫スプレーが登場した。なんとこの殺虫スプレー、害虫を瞬時に“凍死”させちゃうという。
この画期的な殺虫スプレーは2種類のラインナップで、その名も『バルサン 飛ぶ虫氷殺ジェット』、『バルサン 這う虫氷殺ジェット』。
発売元のライオン株式会社に連絡をしてみると、商品を前にして説明をしていただけるということで、さっそく訪ねてみることに。

「原理は気化熱を利用して虫を凍死させてしまうというものです。殺虫成分は入っていません。
スプレーの成分としては気体と液体2種類の冷却成分ですね。冷却成分は安全性の高いものです」と開発担当の樫田さん。
「効果的に殺虫するためには虫の体表面から、すばやく大きな熱量を奪い冷却することが重要なんです。バルサン氷殺ジェットでは気化速度の異なる2種類の冷却成分を用いることで、冷却のスピードと効率を両立しています。スプレーした瞬間、すぐに気化する成分が気化熱を奪いながらガス化して、マイナス40度の冷却ガスとなって虫に届きます。これで虫があっという間に動かなくなって仮死状態になります。
さらに、霧状に分散された液体の冷却成分は、虫の体表面について大きな熱量を奪いながら揮発することで虫が凍って死んでしまうというわけです」

「実際にご覧になってみますか」ということでさっそく殺虫の様子を拝見することに。用意されたのは臭〜いニオイがたまらないというカメムシ。
樫田さんがスプレーをすると、プシューと白い霧が噴霧され、カメムシを捉えた。するともそもそ動いていたカメムシの動きがピタっと止まった。

「これで仮死状態になっています。この白くなっているのは氷です。
ほら、見てください。カメムシの表面がどんどん白くなってきているでしょう。冷却の2段階目として今、カメムシからどんどん熱を奪っているところです。もう完全に凍ってますよ」

触っても大丈夫ということだったので、スプレーで白くなっているところを触ってみるとひんやり冷たい。確かに氷、霜である。そして、そのまま素手でカメムシをつついてみると、パリンと足が折れてしまった。

ひゃぁ。ほ、本当にカメムシが凍っている。これはすごい。
しばらく見ていると、白い氷はすぅっと融けて霧を吹いた後のようにうっすらと濡れた跡が残った。スプレーは噴霧時にうっすらとメントールの匂いがするだけで後は全くにおわない。

「スプレーの跡はそのままでも問題ないですが、軽く布で拭いていただければOKです」

一連のカメムシ殺虫の様子にただただ感動。
それにしても害虫を“凍死”させてしまうというアイデアには驚かされる。
「虫を凍死させる、という発想はこれまでも無かったわけではありませんが、従来の殺虫スプレーと同じような使い方をしての“凍死”となるとやはり色々と難しかったですね。殺虫成分が一切入っていないので小さなお子さんのいらっしゃるご家庭でも使いやすいと思います」と樫田さん。

バルサン氷殺ジェットは『バルサン 飛ぶ虫氷殺ジェット』、『バルサン 這う虫氷殺ジェット』の2種類。飛ぶ虫用、這う虫用の違いは、飛ぶ虫は体に毛があるものが多いので冷却成分を絡まりやすくし、這う虫はムカデなど大きなものにも対応できるように冷却力を強めているという。ムカデは15センチくらいのものでも退治できるとか。


それにしてもバルサン氷殺ジェットの威力にはただただ感動。これは絶対使いたい1品。殺虫成分を使わずにマイナス40度で氷殺というのはこれからの殺虫剤の1カテゴリーにぜひぜひなっていただきたい。
ちなみに虫にとってはマイナス40度でも人間は36、7度の体温があるので多少スプレーがかかってしまってもちょっとひやっとする程度なのでご安心を。また人体に無害とはいえ、ヒトに向けて絶対に使用しないようくれぐれもご注意下さい。
(こや)

ライオン株式会社 | バルサン

※ライオン株式会社より発売されていた『バルサン 飛ぶ虫氷殺ジェット』及び『バルサン 這う虫氷殺ジェット』による引火事故が、複数件報告され、2007年8月27日、ライオン(株)は該当製品を自主回収すると発表しました。詳細はライオン(株)のウェブサイトの「『バルサン氷殺ジェット』の自主回収について」(8月28日付)をご参照ください