丸い歯ブラシは歯ブラシ界の革命児となるか
これが歯ブラシ? と言った風貌の“ぐるりんブラシ”。ふつう・やわらかめなどのブラシの固さも選べます。
毎日欠かさない物といえば歯磨き。歯のためにと歯磨き粉にはこだわっても、歯ブラシは何を使っても同じだと思っていた。


が、薬局で奇妙なものを発見。
それは、「デントレディアス360度歯ブラシ」という、ちょっと変わった形の歯ブラシだった。

目を引く場所はブラシ部分。普通は長方形であるはずのブラシが丸いのだ。360度ぐるりと生え揃った円筒形なのである。
その形状から「電動式で、回るのかな?」と思いがちだが、これがごくごく普通の手動式。

いつもの調子で磨き始めると360度にブラシが付いているため、歯だけでなく口中にブラシの感触が。
しかし慣れてくると全体にブラシがあたっているおかげか、歯だけでなく歯茎や口の裏まで綺麗になっているような気がする。

この歯ブラシ、各種特許を取得するため邁進中の新・歯ブラシという噂。早速、開発された株式会社STBヒグチさんにお話を伺ってみた。 

量産開発までかかった時間はおよそ2年。歯科医と共に研究を重ね昨年夏ごろに発売されたこの商品の秘密は、やはりブラシ部分だった。

通常の歯ブラシはブラシの束を植え込んでいく「植毛」タイプ。しかしこの歯ブラシはブラシ毛同士がくっついた「プラスチック溶着」という方法で作られているそう。
普通の歯ブラシより、ブラシ量は10〜16倍量。「普通」堅さのブラシなら0.12ミリの超極細毛が1万本もセットされているという、すさまじいボリュームだ。
しかしそのボリューム感のおかげで、広い面積を一度に磨く事が可能。転がすように磨いたり、曲面を生かして歯の裏を磨く事もできる。


しかもブラシに使われている毛が一般的なブラシのものより細いため、歯茎に優しいのもポイントだ。ほどよい刺激のおかげで歯茎マッサージ、そして舌ブラシとしても使えるという一石二鳥っぷりである。

もちろんナイロンブラシのため、同じ歯ブラシを使い続けていると少しずつ固くなる。買い換え時期は1カ月程度が理想とのこと。といっても、ついつい買い換えを忘れて長期間使い続ける人も多いそうだが……。

何にせよ、歯は一生に一つだけ。
花見だの歓送迎会だので暴飲暴食になりがちなこの季節だからこそ、歯ブラシにまでこだわって歯の健康を気遣ってみては。
(のなかなおみ)