
神奈川県の地ビール会社・サンクトガーレン有限会社が、デザート感覚のビールとして発売するスイーツビールは2種。沖縄伊平屋島の黒糖を使った「黒糖スイートスタウト」とアロマホップのかわりにバニラビーンズで甘い香りを溶け込ませた「スイートバニラスタウト」。いずれも黒ビールだ(スイートバニラスタウトはバニラを副原料としているため酒税法上は発泡酒に分類される)。
発売は5月15日だが、一部県内店舗では4月27日から先行発売されていると聞いて、早速買って飲んでみた。
「若干ぬるめのほうが甘さがひきたつので(保存は要冷蔵)、冷えたビールを一気に飲むのではなく、ゆっくり飲んでほしいです」
というアドバイスに従い、とにかくゆっくり飲んで見ることに。まずは試しに冷蔵庫から出したキンキンの状態で一口。なるほど、確かにこの状態でも甘さは感じるものの、驚くほどではない。
しばらく置いておき、少しぬるくなったかな? というところで再度飲んでみてビックリ! 驚くほど味が変わっていた。黒糖は若干渋めの和菓子の甘さ、バニラは後味にチョコレートに似た風味も残るかわいらしい洋菓子の甘さ。どちらも甘くて風味豊か。まさにデザートという感じでかなりおいしい。
スイーツビール開発のきっかけは、バレンタイン時期に発売したチョコレート風味のビール「インペリアルチョコレートスタウト」が激売れしたことだという。
「チョコビールは1日半で20,000本が完売。バレンタインという時節に合わせた商品でしたが、贈り物としてばかりではなく、自分で楽しむために購入していく姿も多く見受けられました。バレンタイン後も継続して販売してほしいとの声も多く寄せられ、それに後押しを受け、スイーツビールの発売を決定しました」
甘いビールというと日本では珍しい感じがするかもしれないが、
「世界には85種類のビールが存在し、その中には酸っぱいもの・甘いもの・10%以上のアルコールを持つもの、多種多様な味わいのものが存在します」
同社では個性的なビールを作り、ビールの味は1つではないということを多くの人に知ってもらいたいと考えているそう。
私のようなビール好きはもちろん、ビールが苦手な人にもぜひ試してほしいスイーツビール。新たなビールの魅力が発見できるはずですよ。
(古屋江美子)
・サンクトガーレン(有)HP