外国人力士がハワイ→モンゴル勢に推移した理由
力士ではありませんが、モンゴルの「超人レスラー」も、活躍しました。
「相撲」「モンゴル」の話題は、まだまだ日々絶えないが、いまさらながら疑問に思うのは、なぜ大相撲の外国人力士の主流が、ハワイ出身→モンゴル出身にかわってきたのかということ。

相撲に疎い自分などが見ると、相撲部屋のスカウトの人が、「ハワイ」鉱脈を掘りつくし、次の鉱脈「モンゴル」に移っていったように見えたりするのだけど、「力士的・ハワイのゴールドラッシュ」はもう過去のものになってしまったのか。

日本相撲協会に聞いた。

「確かに、昔はハワイの力士が多く、今はモンゴルの力士が多いですが、これは単にハワイから入ってこなくなったっていうだけのことですね。それぞれの部屋でのスカウト態勢などは、こちらでは把握していませんが、日本相撲協会として、特に積極的にモンゴルの力士の方を取り入れているとかいったことはありません」
と言うのは、広報担当者。

ただし、ハワイ勢が入ってこなくなった背景はわからないが、モンゴル出身力士が増えた理由については、
「モンゴルには『モンゴル相撲』もあり、また、日本の相撲のテレビ放送が人気だそうで、力士を志している人が増えていると聞きます。それが一因だとは思いますが、はっきりと原因かどうかは……」
と言う。

外国人力士の国別推移については、「たとえば、高見山が入門した昭和39年以降は、ハワイを含めたアメリカ、韓国、トンガなどの力士がいて、なかでもいちばん多かったのは、アメリカの20〜30人でした」
さらに、台湾、パラグアイ、カナダ、香港、フィリピン、スリランカからの入門もあったそうだが、やはり基本的には「ハワイ勢全盛期」で、これが平成2〜3年ぐらいまで続いたのだそうだ。

だが、やがて「変化」が訪れる。
「モンゴル人力士が初めて入門したのが、平成4年で、そこからはどんどんモンゴルが増えましたね」

ちなみに、今場所の番付では、モンゴル出身力士は34人。対して、アメリカ出身力士は0人!
さらに、ここ2〜3年は、ヨーロッパなどからも来るようになったそうだが、
「その事情はわかりません」ということだった。

よくモンゴル人力士について「ハングリー精神」なんて言葉が使われ、モンゴルでの平均月収と比較して、日本での力士の給料の良さが指摘されたりもするけれど、アメリカ、特にハワイ勢にとっては、いろいろな点で「魅力」がなくなっているのだろうか。

外国人力士がどんどん増えることが問題視されて久しいが、ハワイの人たちの「相撲の才能」は、今どこへいってるのだろうと、ふと考えてしまった。
(田幸和歌子)
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