「そばをうまくすすれない」女性が多い理由
おいしいおそば、うまくすすれますか?
新そばの美味しい季節がやってまいりました。

ところで、よく男性が言うこんなセリフ、聞くことありませんか?
「そばやラーメンを『すすれな〜い』とか言って、ちまちま食べる女、むかつくよなあ。
そばやラーメンは、ズルズル音立てて食べるもんなんだ!」
ごもっとも。

でも、「そばやラーメンをうまくすすれない」という女性側の言い分としては、「すすれな〜い=可愛い」とか思ってるわけじゃなく、大多数は「すすりたくとも、うまくすすれない」ようで、身のまわりでも、「音を立ててすすったほうが良いことは知ってるけど、すすろうとすると、なぜかむせてしまう」とか、「すすろうとすると、空気が入ってしまう」とか言う声をよく耳にする。

私自身も、決して上手なほうではないし、調べてみると、個人のブログなどでも「すすれない」と書いているのをけっこう目にしたが、やっぱり女性には「うまくすすれない体質」があったりするもの?
ラーメンなどの場合は、男性でも「スープがこってりドロドロで麺にからむものはすすりにくい」とか「具だくさんのラーメンはすすりにくい」とか言う人がいるし、欧米の人などは、「昔からの習慣で音を立てて食べるのができない」というのも聞くけど……。
実際に、女性のほうが「そばやラーメンをすすりにくい」という理由はあるものなんでしょうか?
総合診療科の医師に聞いた。

「女性で小柄でやせていて呼吸筋などの筋力の弱い人なんかは、吸引力も弱いとは思います。また、喉の細さは、もちろん男性よりは体格の小さな女性の方が細い人は多いはず」
つまり、そばやラーメンをうまくすすれない女性というのは、「喉が細く」「小柄でやせていて呼吸筋が弱い」人ということ?
「ただ、それを言うなら、性差というより、大人、子どもの違いのほうが大きいのでは? 子どもはみんな、そばやラーメンがすすれないのでしょうか? 特に調べたことはなく、データもないですが。
これは体質というよりも、やはり慣れの問題が大きいのでは?」

身のまわりの子どもたちを見る限り、麺類は男女ともに多くの子が大好きだが、ほとんどが「すする」というより、かたまりとしてむさぼり食っている。やはり「チュルル」「ズルル」と音を立てて食べる子はあまりいない気はする。
女性の場合は、子どものように「喰らいつく」ことはなかなかしないし、キレイに食べようとすると、勢いが弱まり、あの美味しそうなズルズルッという音が出ないということだろうか。

ラーメン屋、そば屋に行くのは、男性のほうが多い気もするし、やはり慣れの問題ってこと?
だとしたら、ラーメンやそばの「美味しそうな音を立てつつ」「汚く見えない食べ方」は、難しそうでもあるけど、特に体質や病気でない限り、日本人なら、まして自分は信州出身でもあることだし、やっぱり会得したいなあと思いました。
(田幸和歌子)