コートを落としても2週間で売却されちゃうの!?
駅などにこんなポスターが貼られていたけど、意外と知らない人、多いのでは?
12月10日から施行される「改正遺失物法」、ご存知ですか。

「これまで6カ月だった落し物や忘れ物の保管期間が3カ月にかわる」
「落し物などの情報がインターネットで公表されるようになる」
「携帯電話やカード類など、個人情報が入ったものは、拾った人が所有権を取得できない」
などなど、いろいろな変更点があるらしいけど、ちょっと気になったのは、「どんなふうにインターネットで公表されるのか」ということ。


また、「貴重なものは全国手配される」「大量・安価なものは落とし主が2週間以内に現れない場合、売却できることになる」というけど、「貴重」と「大量・安価」の線引きって、どのへんにあるの?

法改正の直前、12月7日に警視庁に問い合わせたところ、ずっと通話中で、やっとつながったと思ったら、「全国のことなので、警察庁にお問い合わせください」と案内された。言われた通りに警察庁に問い合わせると、やはりずっと通話中。
なんとかつながったときには、
「基本的に各都道府県の管轄域内のものを、HPで公表します。写真はのせず、『お財布』などの物品名と、色やかたちなど、ある程度の情報のみにとどめます」
と説明された。
これは、「落し物の写真など公表してしまうと、本人になりすます可能性があるため」という理由からだとか。

また、貴重な物件は「管轄域外の警察本部長にも知らせる」というが、これって、どんなもの?
「安価・大量にあてはまらないものです」
では、「安価・大量なもの」って、どんなもの?
「これは施行令第三条で定めているもので、傘、衣服、ハンカチ、マフラー、ネクタイ、ベルトその他衣服と共に身に着ける繊維製品又は皮革製品、履物、自転車です」

ところで、この季節、忘年会なども増え、酔っ払ってコートなどを電車内に忘れる人も多そう。
これもやっぱり「大量・安価」になっちゃうんでしょうか。
「そうですね……詳細は、警視庁の遺失物センターに問い合わせされたほうが良いかと」
で、再び警視庁・遺失物センターに問い合わせたが、やっぱりずっと通話中……。
夕方になってようやく電話が通じたが、
「『大量・安価なもの』に関しては、特に金額などは決まっていません」
高価なコートなども該当するかどうかという点については、
「『高価なコート』なら、安価じゃないでしょうね。警察署長の判断にもよるかもしれませんが……詳細は警察庁に問い合わせてください」
とのこと。

ちなみに、この日は警視庁も警察庁も、遺失物担当者がひっきりなしに電話対応に追われていたようで、
「いつも問い合わせが多い部署ではあるんですが、法改正などあると、電話がずっと鳴りっぱなしなんです(苦笑)」
と言われた。こんな直前に問い合わせて、すみません。


まだまだ曖昧な部分も多い「改正遺失物法」。
ともあれ、「高価」「安価」にかかわらず、自分の持ち物は愛着があるもの。落としたり忘れた際には、すぐに引き取ってあげましょう。
(田幸和歌子)