アメリカの「バスト俗語」の奥深さ
著者によれば、日本人はアメリカ人に負けないぐらい「巨乳」に強迫観念を持っているとのこと。名誉なんでしょうか?
“ドッペルゲンガーズ”、“黄金のドーム”、“2つの月の光”……。

何のことだかわかります? 実はこれ、アメリカの女性のバストを表現した俗語なんです。


日本のバストに関する俗語といえば、今では死語になってしまった“ボイン”。1960年代の深夜番組「11PM」で、司会の大橋巨泉が朝丘雪路の大きな胸を見てボインと称したのが始まりらしいです。
90年頃から“巨乳”という言葉が使われはじめ、その後、爆乳やスイカップという俗語が生まれました(逆に、小さい胸を表すのは貧乳ぐらいでしょうか)。

そんなおっぱい好きな日本人を遥かに凌ぐほど、アメリカ人はおっぱいが大好き。使われる俗語の数は、「どんだけ〜っ」ていうぐらい、膨大な数になるそうです。

そのほんの一部を紹介したのが『巨乳はうらやましいか? ―Hカップ記者が見た現代おっぱい事情』(早川書房)という書籍。
スーザン・セリグソンさんという規格外の胸をもつ女性ジャーナリストが、美容整形外科医やOカップの爆乳ストリッパーなどに体当たり取材したもので、女性が読んでもたいへんおもしろい、「バスト完全読本」なんです。

本書の「ナイス・チチ」という章で、バスト俗語を研究している言語学者にインタビュー、スーザンさん自身もウィキペディアで膨大なバスト俗語を徹底的に調査し、ジャンルごとに紹介してくれています。いや〜、これはもう日本人には理解し難いものばかりです……。

まず、老若男女問わずアメリカで最も親しまれているのは“ブーブス”という呼び方だそう。確かに私も何度か映画で聞いたことあります。意味はないけれど、音の響きから派生したもののようです(これはボインとよく似てる?)。


地名にちなんだものでは“ボストンさまよい乳”、“グランドキャニオン”、“ピラミッド”、“ドイツアルプス”などがあって、有名人の名前や固有名詞にちなんだものは“ブラッド・ピット乳”、“アイゼンハワー乳”、“ホームズ&ワトソン乳”“ジョン&ポール乳”など。なかでも、“アイザック・ニュートン乳”は重力にかかわるだけに、よくわかるような気がします。しかし、“マハトマ・ガンジー乳”っていうのはどういう意味なんでしょう……?

日本人にとっては嬉しい“フジヤマ乳”、“ゴジラ乳”というのもありました。富士山はともかく、ゴジラは破壊力があるということなんでしょうかね。

俗語は男性の大半は男性たちによってつくり出されているために、軍事用語から引用されたものも多いという。
“弾頭乳”“キャノンボール乳”、“手榴弾乳”、“リーサエルウェポン乳”“水爆乳”など、かなり脅威的です。


そしてやはり車から連想されたバスト語も多い。“エアバッグ”、“ヘッドライツ”、“フード飾り”、“ヴォルボ乳”、“スノータイヤ乳”など。

自分の胸をこれらの俗語で呼ばれても、ちっとも嬉しくないですが、中には女性をキュンッとさせる俗語がごくごく稀にある。例えばスーザンさんも大絶賛の“ラブ・マフィンズ”。甘〜くて美味しそうじゃありませんか。他にもココナッツ、メロンなど。
そうそう、食べ物にたとえるならまだ理解できるのよね。

バカバカしいけれど、その発想力には感心してしまう(?)アメリカのバスト俗語たち。今日もまた、新たな俗語が誕生しているのでしょうね。
(いなっち)

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