「小汚いラーメン屋」は本当に美味しいのですか
ラーメン屋、雰囲気や行列、知名度で選んでませんか?
初めて行った土地でも、外れなく「美味しい店」を探し出せる人って、いる。
自分などは全く鼻がきかないので、「木造の小汚い店に、黒か紺のTシャツ&頭にタオルかバンダナを巻いた店員のラーメン屋さん」とか、つい雰囲気だけで「美味そう」と思ってしまうことがあるのだけど、こうしたラーメン屋さんにありがちな服装や店がまえって、そもそもなぜなんでしょう? 直接ラーメン屋さんに聞いてみた。


「やっぱり店の雰囲気は、木造っぽい感じで、あったかみを出してます。また、バンダナはみんな自分で好きでかぶってるだけですよ」(中央線沿線の人気店)
「服装や内装には、特に意味はありません」(中央線沿線の人気店)
「服は、単純に動きやすいことと、汗をかくからタオルを巻くだけですよ」(京王線の人気店)
あれ? 意外と意味がなかったりするのでしょうか……。
では、「小汚いラーメン屋は美味しい」というのは、やっぱり単なる思い込み?

今度は料理関係の編集者・ライター・カメラマンなどに聞いてみた。
「小汚い店というだけで、美味しそうだと思うのはNG。床が油でヌルヌルしてたり、食卓の上の調味料などをマメに交換していない店は期待できません。お店は古くとも、厨房はキレイじゃないと」(編集・女性)
「古くても掃除が行き届いていることは必須。
キッチンがキレイな店は料理づくりの姿勢もしっかりしています」(編集・男性)
なるほど、「古い」と「汚い」は、あくまで別だという指摘だった。

また、行列のできるラーメン屋さんに関しては、こんな意見が。
「駅前の繁盛店よりも、住宅街や交通の便の悪いところの有名店、行列ができている店は期待できます。また、大通りに面した1階の店よりも、地下の店に当たりが多い気がします。それだけ、ハンディを負っても客が来るわけだし、料理人もそれなりの努力をしているから」(カメラマン・男性)
ラーメン本を見るときなど、「ここ、美味そうだな〜」と思っても、場所をチェックした瞬間に「でも、遠いな」「行きにくい場所だな」と諦めることが多々あるが、そういう店には、やっぱり当たりが多いのだろうか。

では、素人が美味しいラーメン屋さんを見分けるコツがあったら、教えてください!
「厨房の奥の勝手口近辺に置いてあるトロ箱をチェックしましょう。
食材の内容、納入先がわかります。チェーン店でなくとも、大手食品卸の名前が入っていれば、あまり期待できません。食材が画一化しているから。産地からの宅急便を使って直送されているようでしたら、食にこだわっているひとつのバロメーターになりますよ」(編集・男性)
「タクシーの運転手が食いに行く店が美味しいと思う人も多いけど、実はけっこう怪しい。『すぐ食える』『タクシーがとめられる』という理由だけという店も多いから。それより、食材の箱をチェックしましょう。
また、出される水が水道水のところはダメ」(ライター・男性)

自戒として。雰囲気ばかりに騙されず、美味しい店を見つける嗅覚、養いたいです……。
(田幸和歌子)